haze

2017

普段何気なく接している素材のつくられている原理、すなわち決まり切った物語を1度解体し、別の物語がつくられる工程を途中に挿入してみることで今までまったく見たことも経験したこともない景色や風景が生まれるのではという、実験的なオリジナルプロダクト。

「haze」はその中でも鏡に着目したもの。通常の銀蒸着(銀を蒸発させて、素材の表面に付着させる表面処理あるいは薄膜を形成する方法の一種)によってでき上がる鏡の製造工程ではなく、特殊なメッキ技術によって鏡面化させることで、側面が鏡面仕上げからクリアガラスへとグラデーションを描きながら変化することを可能にし、鏡への写り込みが徐々にスツールの内部の風景と混ざる不思議な景色を生み出しています。

photo:山本育憲

髙須学(インテリア・プロダクトデザイナー)

髙須学(インテリア・プロダクトデザイナー)

1974年福岡県生まれ。九州芸術工科大学卒業後、一級建築士事務所に6年間勤務。2002年にタカスガクデザイン(現TGD)を設立。「シンプルに、永く、美しく」をデザインコンセプトに、時代に左右されない空間そのものの美しさや、モノ自体に潜む本来の美しい音色を最大限に増幅させる「良質なアンプ」のようなデザインを心掛けている。クライアントとエンドユーザー共に活きるショップインテリアや、住まい手それぞれの心地よい「間」を導き出す住空間、モノ本来の持つべき姿形やそのストーリー性を深く読み、素材そのものを深く洞察し、腑に落ちる形を追求する家具プロダクトなど、空間から家具・日常品まで幅広い領域でデザイン活動を行っている。2011年、2015年グッドデザイン賞等受賞歴多数。

http://www.gaku-design.com