桜皮長茶筒

2008 / 角館樺細工

桜の樹皮を用いる樺細工は採取できる表皮の幅がほぼ決まっており、ずんぐりとしたプロポーションの茶筒が特徴的である。これに対し、3つの筒を組み合わせることで背の高いプロポーションの茶筒を考案した。それぞれに未加工の樹皮と磨かれた樹皮といった違う素材を配し、伝統的な表情でありながら新しい表現を試みている。ひとつ残念なことは、その製造の困難さから、非常に高価なものとなってしまったことだ。

この経験から以後は、製造のしやすさの優先度を高く考慮するようになった。同時に秋田杉と樺細工の素材のコントラストを魅せる、いくつかの製品もデザインした。

安島諭 + 本田智子(デザイナー)

安島諭 + 本田智子(デザイナー)

安島諭
金沢美術工芸大学卒。北岡デザイン事務所、ナカミチを経て1998年THINGS設立。ハイエンドオーディオ、インテリアデザイン、インタラクティブコンテンツ、モーショングラフィックス、企業との先行開発の経験を持つ。社会やビジネスの視点からデザイン戦略・デザインマネジメントを行ってきた。現在、金沢美術工芸大学製品デザイン専攻教授。

本田智子
武蔵野美術大学卒。デザインスタジオTAD、エムアンドエムデザイン事務所を経て1998年THINGS設立。景観設計、インテリア、プロダクトデザインの経験を持つ。近年は製品企画から販売にいたるまでの総合的なデザインプロデュースを行ってきた。現在は環境と農業におけるデザインに取り組んでいる。

おもな受賞
2012 German Design Award(独)Silver
2011 Design Plus賞(独)
2010 Good Design賞 中小企業庁長官賞
2010 MM総研大賞 デジタルサイネージ分野 最優秀賞
2000 海南国際デザインコンペティション 金賞

THINGS
http://www.thingsstyle.com/ts/topics.html

2016/10/5 10:30