第166回 ムラタ・チアキ (プロダクトデザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

数年前になるがムラタチアキさんに登場していただこうと思いメールを送付した。その時は返答がなかったが年始早々に大阪の友人、井上さんからムラタさんと三人で会いたいという連絡を頂いた。世間は本当に狭く、何処で繋がるかわからない。ムラタさんのデザインにとやかく言う必要はない。一つ一つのデザインには深い拘りが読み取れる。プロダクツを単なるデザインに終わらせる事なく、次の次元まで引き上げる為に一生懸命な方だ。「行為のデザイン」と定義する様にユーザーの行動分析法という論理的な視点から意味を構築している。最近富みに感じるのは、時代の変化である。カタチやモノが自在に変容して行く中で信じられるのは、ユーザーの深層に存在する価値観だと感じている。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

ムラタ・チアキ(プロダクトデザイナー)

ムラタ・チアキ(プロダクトデザイナー)

株式会社ハーズ実験デザイン研究所 / METAPHYS  代表取締役
京都造形芸術大学 プロダクトデザイン学科教授、SDI(ソーシャルデザインインスティチュート)所長 大阪市立大学工学部応用物理学科卒。86年同社設立、プロダクトを中心に「行為のデザイン」というユーザー行動分析法による商品開発、「感性価値ヘキサゴングラフ」など、デザインの論理化に努めている。企業のコアコンピタンスを活かし、ブランド、販路を共有するデザインブランドMETAPHYSを2005年発表。行政デザイン事業関連では、感性価値創造ミュージアム2009実行委員長、エコプロダクツデザインコンペ07~10実行委員長、東京都美術館新伝統工芸プロデュース事業アートディレクター、新潟百年物語デザインディレクター、越前ブランドプロダクトコンソーシアムプロデューサーを務める。2011年、同大学院に社会問題をデザインで解決するSDIを開設。
http://www.hers.co.jp