下タ町醸し室 HIKOBE

人や文化が交流し、新しいコト・モノが醸されていく交流拠点

デザインコンセプト
担当:SUGAWARADAISUKE 建築事務所

300年以上の歴史をもつ、秋田県五城目町の福禄寿酒造が運営する地域拠点「下タ町醸し室 HIKOBE」。本計画では、日本酒を醸す風景に埋め込まれた歴史と文化を継承し、この町らしい未来の風景を発信する地域拠点です。酒の販売や試飲だけでなく、地域文化の展示や発信、まちのリビングルームとして開かれており、町内外の老若男女が自由に集い、留まることができる、交流型の新しい公共空間です。

複数回の増築で複雑化した既存建物を減築し、三角庇と開閉するビックドアによるミクロ スケールの増築を行うことで機能性と耐震性を確保しました。極寒期に風除室として機能するこの半屋外空間によって、表通り~裏庭~酒蔵~朝市通りをつなぎ合わせる歩行ネットワークと賑わいをつくりました。

室内の設計では、既存の木下地や欄間、使いこまれた建具や家具などと、新設される部材や素材を一体的に扱うことで、時間の中で成熟された価値とこれから積み重ねられる価値が同居するデザインを目指しました。新設された開口とテラスからは、町の象徴である森山を望むことができます。

設計 SUGAWARADAISUKE 建築事務所(担当:菅原大輔、山本明弥香)
構造 yasuhirokaneda STRUCTURE(担当:金田泰裕)
照明計画 灯デザイン(早川亜紀)
施工 藤井工務店(担当:藤井好春)
所在地 秋田県南秋田郡
延べ床面積 121.05m2
オープン日 2018年5月12日
写真 Photo Office-K(コンドウ ダイスケ)