第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展、新鮮な顔ぶれの4割は80年代生まれ

不動前ハウス、mnm 常山未央 ©Sadao-Hotta不動前ハウス、mnm 常山未央 ©Sadao-Hotta

2016年5月から開催される第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の出展作家が発表された。14組24名の顔ぶれは、その4割が80年代生まれ、6割が70年代生まれという新鮮さだ。前回は、コミッショナーのレム・コールハース氏により「近代化の吸収:1914-2014」という総合テーマが設定され、日本は倉を模した空間で1970年代にフォーカスした展示を行った。出展作家はその時代を象徴する人々。今回は、その時代もしくはその後に生まれた世代が主役となっており対照が際立つ。

高岡のゲストハウス、能作アーキテクツ ©Jumpei-Suzuki

高岡のゲストハウス、能作アーキテクツ ©Jumpei-Suzuki

その変化を促した今回の総合テーマは「REPORTING FROM THE FRONT」。それを受けて日本が掲げたタイトルは「en(縁):beyond-SHARING」。さらに、「新しい家族のかたち」「減築・更新」「創造的過疎」というテーマを設定することで、20世紀の経済成長モデルと断絶した現在の低成長時代を生き延びるために、若い世代の建築家がどのような実践をしているか紹介する切り口とした。

キュレーターである山名善之氏による企画概要から、一部を紹介する。
── 若年層を中心に失業が慢性化し、格差や貧困の度合いが日々昂進している今日の日本において、戦後の「高度経済成長」はもはや遠い過去の歴史的事象のようなものとなってしまった。(中略)
直面した状況課題に対して、それぞれ個々に戦われているその戦いの多様な様相を見てみようと思う。(中略)
まだ胎動を始めたばかりのものが多いかもしれないが、社会変革のベースを作っていく、そんな潜在可能性をもっている。 ──

会場デザインはtecoの二人、共に80年代生まれ。多様な建築家たちの提案をまとめ、どのような展示空間に仕上げるのか。そして、建築で表現される現代日本はどのような反応を得ることになるのか、注目していきたい。

躯体の窓、増田信吾+大坪克亘

躯体の窓、増田信吾+大坪克亘

神山町、BUS

神山町、BUS

【出展作家】(順不同)
mnm/常山未央
オンデザイン/西田司
中川エリカ
成瀬・猪熊建築設計事務所/猪熊 純、成瀬友梨
仲建築設計スタジオ/仲俊治、宇野悠里
能作アーキテクツ/能作文徳、能作淳平
miCo./今村水紀、篠原勲
レビ設計室/中川純
増田信吾+大坪克亘/増田信吾、大坪克亘
青木弘司建築設計事務所/青木弘司
403architecture [dajiba]/辻琢磨、橋本健史、彌田徹
BUS/伊藤暁、坂東幸輔、須磨一清
ドットアーキテクツ/家成俊勝、赤代武志、土井 亘

【会場デザイン】
teco/金野千恵、アリソン理恵

会場構成(左)、会場デザイン(右)

会場構成(左)、会場デザイン(右)

第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展
【会期】 2016年5月28日(土)〜11月27日(日)
【会場】 ジャルディーニ地区(Giardini di Castello)、アルセナーレ地区(Arsenale)など
【総合ディレクター】 Alejandro Aravena(アレハンドロ・アラヴェナ)
【総合テーマ】 REPORTING FROM THE FRONT
ヴェネチア・ビエンナーレ公式サイト

ヴェネチア・ビエンナーレ(Biennale di Venezia)
イタリア・ヴェネチアで1895年から開催されている現代美術の国際展覧会で、2年に一度開催されている。オリンピックのように国が出展単位となっており、メイン会場である公園の周囲に並ぶ各国のパビリオンがそれぞれの会場となる。美術展として始まりながらも現在では、国際音楽祭、国際映画祭、国際演劇祭、国際建築展を独立部門として抱えている。建築部門の展覧会は1975年から美術展が開催されない年に不定期に開かれ、1980年にヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展第1回として正式に開催された。