子育てしながら建築を仕事にする
ゼネコン、アトリエ、組織事務所、ハウスメーカー、個人事務所など、異なる立場で子育て中の現役男女各8名の体験談。
仕事と子育ての両立は試行錯誤の連続だが、得られる発見や喜びは想像以上に大きい。建築業界で働き続けることに不安を持つ学生、若手実務者とその上司におくる、リアルな将来像を描くためのエッセイ集。
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本書のカバーデザインはデザインチームminnaが担当。子育てしながらデザインを仕事にしている立場の彼らに、カバーデザインの意図についてうかがっている。
“建築というと、構造や図面、工期の管理されたスケジュールなど、全体的にきっちりとしたイメージがありますが、子育てはその真逆と言っても過言ではないかもしれません。従来通りの考え方だと「子育て」と「建築を仕事にする」という2つの事を両立させるのは難しいと考えられがちです。しかし、この書籍で紹介されている16名の体験談を読むと「子育てしながら建築を仕事にする」ことは、あながち無理なことではなく、両立することのポジティブさに気づかされ勇気づけられるはずです。
カバーデザインは「建築」を表現するために図面をイメージした方眼の背景に、製図文字調のタイポグラフィでタイトルデザインをしました。そこへ句点やアンダーラインを想起させる、子どもの落書きのような線を加えています。子育ては予定調和ではいかないサプライズの連続ですが、それをポジティブに捉えられるよう、アクシデントのような子どもの落書きがビジュアルのアクセントとなり、全体の印象がより良くなるようにデザインしました。
私たちも子育てしながらデザインを仕事にしているので共感するところも多く、この書籍をきっかけに、もっと「子育て」と「仕事」が両立しやすい世の中になっていくことを切に願っています”
工藤和美(建築家/シーラカンスK&H代表)・山梨知彦(日建設計・設計部門副統括)おすすめコメント
■工藤和美(建築家/シーラカンスK&H代表)
働き方も男女の役割も変革の時代。
これから子をもつ人、あるいは迷っている人たちは、本書から子どもがいる幸せだけでなく、子育てから建築に欠かせない素養を得られる事を知るだろう。奮闘中のご夫妻は、皆も同じように奮闘中なんだと勇気をもらい、子育てを任せっきりのパパは、人生の大切な時を失っている事に気づくはずだ。
一つの生命が人として育つ過程は、神秘的でもあり泣き笑いの劇場でもある。仕事に子育てにと、欲張りに生きていいんだよ!と、背中を押してくれる必読の一冊。
■山梨知彦(日建設計・設計部門副統括)
子育ては「カミさんに任せっぱなし。たまに子どもと遊ぶのは帰宅後深夜の1:30から」と、イクメンと真逆の人生を歩んだボクですが、この本に出合っていたらカミさんと子育ての心配や幸せを分かちあえたに違いない。でももう大丈夫!この本が僕を、働くママとイクメンの良き理解者、話せる上司に変えたから(笑)。
本書を読んでも子育ての悩みは尽きないだろうが、心配ないって。君たちだって、まだまだ大きな子どもみたいなもんじゃないの!続編『建築をしながら、うまく子離れをする』も期待しています!
発行 | 学芸出版社 |
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編著 | 成瀬友梨 |
著者 | アリソン理恵、勝岡裕貴、木下洋介、杉野勇太、鈴木悠子、瀬山真樹夫、杤尾直也、豊田啓介、永山祐子、馬場祥子、松島潤平、萬玉直子、三井祐介、矢野香里、吉川史子 |
装丁 | minna |
仕様 | 四六判、252ページ |
価格 | 2,000円(税抜) |
ISBN | 978-4-7615-2668-9 |