猛暑がひとまず落ち着き、恵みの雨や秋の気配を感じる日が増えてきました。さて、2026年のシルバーウィークは昨年と異なり、待望の「まとまった5連休」ですね。
本記事では、まだ予定を決めていない方も思い立ってサクッと行ける展覧会から、少し足を伸ばしてでも訪れたい話題の展示まで、編集部おすすめのイベントを幅広くピックアップしました。会期終了が近い順にご紹介します。
■Hello Kitty展 - わたしが変わるとキティも変わる –
誕生から半世紀を迎え、今や世界中で知られ、愛されているキャラクター「ハローキティ」。大分県立美術館で9月23日まで開催中の本展は、「キティとわたし」の50年をテーマに、ハローキティだけがもつユニークさを紐解く展覧会です。

© 2026 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP660010
会場では、ハローキティの展示史上最大量のグッズ展示をはじめ、映像ディレクター・牧野惇さんによるオリジナル映像作品、アーティストによる「わたしとキティ」を題材に制作されたイラストレーションなど、さまざまなコーナーでそのユニークさが紹介されています。
■ほぼ、空:青木淳 + リチャード・タトル
東京・初台にある東京オペラシティ アートギャラリーでは、美術家のリチャード・タトルさんと建築家の青木淳さんのコラボレーションによる展覧会が9月23日まで開催中。
会場は、タトルさんによる柱状の構造物・バスケット・色薄紙の帯の3つのエレメントと、青木さんが過去の展覧会で使った台座を再利用したユニットという限られた要素で構成されています。

「ほぼ、空:青木淳 + リチャード・タトル」展覧会イメージ 2025
美術館内の企画展示室・収蔵品展・ミュージアムショップなどの空間を再構成し、ゆるやかにつながるひとつの空間としており、美術館という空間の可能性をめぐる実験的な展示になっています。
■80 GRAPHIC TRIALS クリエイター80組とTOPPANによる挑戦の20年
東京・文京区の印刷博物館 P&Pギャラリーで9月27日まで開催されている企画展「80 GRAPHIC TRIALS クリエイター80組とTOPPANによる挑戦の20年」。「GRAPHIC TRIALS」は、クリエイターとTOPPANの共創により、グラフィックデザインと印刷表現の新しい可能性を探り、ポスター作品として結実させる試みです。
2006年に始まった同プロジェクトが今年で20年を迎えることを記念し、本展では、これまでの80組のクリエイターによるポスター作品全400点を3期に分けて展示。いまは第3期が開催中です。

5点のポスターシリーズというたった一つの制約条件から、クリエイターの独創的な視点、知恵、展開手法によって生まれた多彩な作品を一堂に紹介する初の試みとなっています。作品に込められた思考のプロセスや、圧倒的な表現技術の化学反応をぜひお楽しみください。
会場:印刷博物館 P&Pギャラリー
https://www.toppan.com/ja/joho/gainfo/graphictrial/80gts/
■エットレ・ソットサス ―魔法がはじまるとき、デザインは生まれる
東京・京橋のアーティゾン美術館では、エットレ・ソットサス(1917-2007)の作品を一挙に公開する日本初の大回顧展が、10月4日まで開催されています。

《カールトン》1981年(デザイン)/1981年(製作:メンフィス・ミラノ)、石橋財団アーティゾン美術館 © Erede Ettore Sottsass
1950年代からオリベッティ社などのデザイナーとして数々の名作を生みだし、20世紀イタリアデザインの巨匠となったエットレ・ソットサス。1981年には国際的なデザイナー集団「メンフィス」を結成し、革新的なデザインで一世を風靡しました。アーティゾン美術館初のデザイン展となる本展では、初期から晩年におよぶ100点以上の作品を見ることができます。
■瀧本幹也 LUNATION 朔望 ―海から天体を読む
写真家・瀧本幹也さんの国内美術館で初の大規模個展が、神奈川の茅ヶ崎市美術館で11月8日まで開催中です。モンゴルの遊牧民を写した「MONGOLIAN TRIBE」(1997)、多様な海面の表情をとらえた「GRAIN OF LIGHT」、ケネディ宇宙センターのスペースシャトルと太古から続く地球の静謐な営みを対比させた「LAND SPACE」(2011)など、世界各地を舞台に作品を発表している瀧本さん。
映画撮影では、是枝裕和監督作品『そして父になる』(2013)でカンヌ国際映画祭コンペティション審査員賞、『海街diary』(2015)で日本アカデミー賞最優秀撮影賞、『三度目の殺人』(2017)でヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門を受賞しています。
本展では、新月と満月がもたらす朔望を軸に、海の表情と天体の運動、水面に注ぐ微光から人類の生命へと思いを馳せる新作「LUNATION 朔望」を展開しています。

■第1回 前橋国際芸術祭 2026
群馬県前橋市が2016年に策定したまちづくりビジョン「めぶく。」を起点に、民間主導で進められてきた都市再⽣のプロセスに呼応しながら、アートを通じて前橋の現在地と未来像を描き出す2年に一度の国際芸術祭が9月19日からスタートします。
第1回となる今年のテーマは「めぶく。Where good things grow.」。マルタン・マルジェラや蜷川実花など、多彩な領域から70組のアーティストが参加し、地元・前橋のクリエイターと連携する20以上のプログラムが実施されます。

木住野彰悟《前橋国際芸術祭ビジュアル・アイデンティティ》
展示会場は市立現代美術館〈アーツ前橋〉をメインに、建築家の藤本壮介が設計を⼿がけた〈⽩井屋ホテル〉、平⽥晃久の〈まえばしガレリア〉など、ホテル・ギャラリー・店舗・空きビルなど20箇所以上の個性的な施設と、アーケード商店街や公開空地にも作品を設置。約500メートル四⽅のエリアに集積する現代建築群とアート作品を徒歩で巡る、ウォーカブルな芸術体験を創出します。
今回は6つのイベントをご紹介しましたが、このほかにも全国各地で魅力的で多彩なイベントが開催されています。過ごしやすく、お散歩や街歩きにもぴったりな季節になってきました。ぜひ新たな発見やインスピレーションに出会える展覧会へ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
(JDN編集部)




