秋の心地よい気候が過ぎ、少し肌寒い季節になってきました。都内では今年も、さまざまなクリエイターが参加するデザイン&アートイベントがあちらこちらで開催されています。
JDN編集部では、都内で開催される注目イベントを厳選。散歩がてら立ち寄れるイベントから、じっくり楽しみたい展示まで、10のイベントを会期順に紹介します。
■DESIGNART TOKYO 2026
日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2026」が、10月31日から東京都内各所で開催されます。第10回目となる今回のメイン会場は、高度成長期を支えてきた東京高速道路、通称「KK線」。KK線は、2025年4月に東銀座出口を除いて廃止されて以降、歩行者中心の公共的空間へと整備が進められています。

会場では、建築デザインスタジオ「ALTEMY」による2000m2規模の造形的な仮設建築が展開され、高層ビルの真中を走り抜ける展示空間「AUTOBAHN(アウトバーン)」として、国内外のクリエイターやメーカー、ブランドの多様なクリエイティブが繰り広げられます。
そのほか、銀座、東京、六本木、外苑前、表参道、原宿、渋谷、代官山、池尻周辺などさまざまなエリアで展示が開催されます。
会場:KK線(東京高速道路)の数寄屋橋交差点から東京交通会館まで。ほか、銀座、東京・六本木・外苑前・表参道・原宿・渋谷・代官山・池尻の各エリア
https://www.designart.jp/designarttokyo2026/
■Industrial Romanticism 2
東京・六本木のAXISギャラリーでは、8社のインハウスデザイナーが手がけた未発表のプロトタイプを一堂に集めた展覧会「Industrial Romanticism 2(インダストリアル ロマンティシズム 2)」が、10月30日から11月8日まで開催中です。参加企業はシャープ株式会社、ソニーグループ株式会社、TOTO株式会社、パナソニック株式会社、富士フイルム株式会社、株式会社ポーラ、三菱電機株式会社、ヤマハ株式会社の8社。

タイトルの「ロマンティシズム(ロマン主義)」には、社会情勢や技術の進化だけでなく、デザイナーそれぞれが持つ夢やロマンにスポットを当てることで、デザインの持つ可能性を探りたいという意図が込められています。
会場では、各社デザイナーによるプロトタイプのほか、発想の原点となったモチーフや制作プロセスを伝えるドローイング、ワーキングモデルなどを見ることができます。
■スウェーデン・テキスタイル 暮らしと自然に息づく北欧デザイン
東京・世田谷の世田谷美術館では、「スウェーデン・テキスタイル 暮らしと自然に息づく北欧デザイン」展が11月15日まで開催されています。

スヴェン・フリステット《ゼブラ》1967年 ウーネンゲ家蔵
長い冬を過ごすスウェーデンでは、デザインは日々の生活を心地よく過ごすための大切な手段です。伝統的な手工芸にはじまり、織物を中心とする繊維産業が発展しました。やがて20世紀半ばの技術革新によってプリント・テキスタイルのデザインが花開き、国際的にも注目されるようになりました。
本展ではその知られざる魅力を、モチーフ、デザイナー、暮らしとの関わりという3つの視点からひもときます。スウェーデン在住の個人コレクター、サラ・アクステイリウスさん所蔵によるヴィンテージ・テキスタイルのコレクションを中心に、スウェーデン国内の美術館やアーカイヴの協力を得て、約200点もの貴重な作品と関連資料が展示されています。
会場:世田谷美術館
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00230
■TOKYO MODERNISM SHOW 2026
「TOKYO MODERNISM SHOW 2026」が、11月12日から15日まで、東京・銀座のMUJI HOTEL GINZAとGinza Sony Parkの2会場で開催。

IDÉEと無印良品が取り組むアートプロジェクト「Life in Art」の一環として、2022年から開催している同イベント。5回目を迎える今回は、ミッドセンチュリー期(1940〜1960年代)を中心に、アメリカ、ヨーロッパ、北欧、日本など世界各地で生み出された名作から知られざる作品までを、制作背景とともに過去最大規模で紹介します。
MUJI HOTEL GINZAでは、ホテル7、8階の客室を期間限定の店舗として活用し、30のギャラリーやヴィンテージショップが出店。家具や照明、オブジェなどのデザインプロダクトを展示、販売します。Ginza Sony Parkでは4フロアで展開し、ヴィンテージギャラリーや現代のモダンデザインを担うメーカー・ブランドの展示販売のほか、個人コレクターによる逸品も並びます。
会場:MUJI HOTEL GINZA、Ginza Sony Park
https://www.idee-lifeinart.com/exhibition/tm2026/index.html
■SUPER ART & CRAFT MARKET 2026
エイベックス・クリエイター・エージェンシー(MEET YOUR ART)とビームスクリエイティブが手がけるマーケットイベント「SUPER ART & CRAFT MARKET 2026(SACM)」が、東京ミッドタウン日比谷 地下アーケードで11月15日まで開催されます。

「NEW RITUALS」をテーマに掲げ、全国から約40のショップ・クリエイターが参加。作品やプロダクト、食との出会いを通じて、それぞれの暮らしに新たに取り入れたくなるものや行為を提案。会場では、カルチャーに関わるクリエイターが日替わりで私物コレクションやプロダクトを販売するフリマ企画も実施されます。
■現在薬用植物紀行 展
東京・中央区のATELIER MUJI GINZAで、「現在薬用植物紀行 展」が年11月23日まで開催されています。

私たちの身の回りにある「薬草」。ヨモギ・ドクダミ・ウコンなどの植物も薬草の一種です。湿布などにも用いられるハッカや、身体を温める食材として親しまれている生姜を使ったスープや薬膳料理など、現代の暮らしの中で身近に活かされています。その起源はとても古く、一万数千年前の縄文人の住居からも、薬として使ったと見られる植物が多数発見されています。
本展では、薬草の研究者である新田理恵さんと無印良品が日本各地を巡りながら、薬草にまつわる営み、生産者や伝承する人々の知恵、そして現在の食養生を見つめ直した旅の記録を見ることができます。
■からくりの森
セイコーウオッチによる展覧会「からくりの森」が、東京・港区のLIGHT BOX STUDIOで10月30日から11月23日まで開催中。機械式腕時計の特性とムーブメントに込められた技術の可能性を伝える展覧会で、同社が展開する、腕時計の新たな可能性を育み、さまざまな楽しさを体験できる活動「Seiko Seed(セイコー シード)」の一環として行われています。

第5回となる今回の参加者は、セイコーウオッチのデザイナーのほか、アーティストの荒牧悠さん、デザイナーの鈴木康洋さん、デザイナー・研究者の三好賢聖さん。精密な動きや微細な部品、時を刻む律動に着目し、クリエイターたちがそれぞれの視点から多彩に解釈したインスタレーションを展示します。
■坪田昌之個展「The Unfixed」【PR】
東京・銀座のホワイトストーン銀座新館にて、アーティスト・坪田昌之の個展「The Unfixed」が11月6日から11月28日まで開催されます。大阪芸術大学で彫刻を学び、2001年に同大学大学院芸術制作研究科を修了した坪田さん。木や石、天然顔料など風土と結びついた素材を用い、削る、磨く、刻むといった反復的な手仕事で、ミニマルでありながら豊かな触覚性を備えた作品を制作しています。

「The Unfixed」は、色彩や素材によって立ち現れる物質の気配や生命性、作品が置かれることで生じる空間の変容、そして見る位置の移ろいによって変化する像——作品を起点に、存在、空間、知覚へと連なる諸相をめぐる氏の思考を示唆する言葉です。
本展では、これまで継続的に取り組まれてきた《the layer of self》《the wall of self》《the core of self》を軸に新たな作品群を展示するとともに、制作の基盤となるドローイング作品もあわせて発表されます。
オープニングレセプション:2026年11月6日(金)17:00~19:00 ※作家在廊、入場無料
会場:ホワイトストーンギャラリー銀座新館
https://www.whitestone-gallery.com/ja/blogs/gallery-exhibitions/tyo-n-masayuki-tsubota-112026
■ラウムラボア・ベルリン展:Water Works – in the Flow of Making
東京のTOTOギャラリー・間にて、ベルリンを拠点とする建築家・アーティストのコレクティブ、ラウムラボア・ベルリンの展覧会「Water Works – in the Flow of Making」が、11月29日まで開催されています。

展覧会ポスター Photo Ⓒ Kevin McElvaney
ドイツ語で「空間実験室」を意味するラウムラボアは、制約に満ちた現代都市で、あり合わせの材料で公共浴場をつくってみんなで入浴する、コモンキッチンを設けて料理をしながら対話するなど、誰もが参加できる身体的アプローチにより、柔軟で余白のある交流の空間をつくり続けてきました。今回は、彼らが長年取り組んできた「水」をテーマに、日本での可能性を探究します。
■国際美術展「TOKYO ATLAS」
東京の台場・青海・天王洲の3エリアにて、国際美術展「TOKYO ATLAS」が12月20日まで開催されています。本展では、国際的な文化の潮流が交錯する都市、東京ならではのアートを媒介とした多様な価値観との出会いや交流が生まれるプラットフォームの創出を目指しています。

草間彌生 宇宙へ行って見た愛の花束 2021 「Yayoi Kusama:A Retrospective」(グロピウス・バウ、ベルリン、ドイツ、2021) 展示風景
タイトルの「ATLAS」とは、世界を支える神話的存在であるアトラスに由来し、同時に地図帳を意味しています。街中に設置された作品を巡り歩くことで、まさに未知の地図をたどるかのように、わくわくした出会いを重ねることになるでしょう。会期中は世界の第一線で活躍するアーティストによる展示に加え、東京都が支援してきた若手アーティストによる特別展も展開されます。
会場:【台場エリア】台場公園、お台場海浜公園【青海エリア】青海南ふ頭公園、地下駐車場(青海南ふ頭公園内)、テレコムセンタービル【天王洲エリア】アイルしながわ、WHAT MUSEUM
https://www.japandesign.ne.jp/event/tokyoatlas/
このほかにもたくさんのイベントが都内のさまざまな場所で開催されています。お散歩にちょうどいい季節はあっという間に過ぎてしまうので、ぜひ新たな出会いや非日常感を求めて出かけてみてください。
(JDN編集部)




