開梱ナイフ「OOPARTS-001」

打製石器をモチーフに、現代の素材・製法・用途へアップデート

金属切削加工会社の株式会社セイワが製造する、まるで石器のような意匠の開梱ナイフ「OOPARTS-001(オーパーツゼロゼロイチ)」。

デザインは、アートとテクノロジー、原初と未来、そして野生の思考と科学的思考の融合をテーマに、建築やプロダクトなどのデザインを行っているAATISMO(アアティズモ)が手がけています。旧石器時代の打製石器をモチーフに、現代のライフスタイルに合わせてアップデートしたという商品の特徴についてコメントをいただきました。

■背景・コンセプト

「OOPARTS-001」は金属の塊から削り出された、石器のような開梱ナイフです。旧石器時代前期から中期にかけてのハンドアックスと呼ばれる打製石器をモチーフとしつつ、素材を石からアルミニウムに、製法を打製からマシニングセンタ(自動工具交換機能を有したNCフライス盤)による切削へと、それぞれアップデートしました。

太古の人々は石器という道具を使い、獲物を仕留めて木々を伐採しましたが、現代人はこの道具で届けられた荷物を開けるのです。

開梱ナイフ「OOPARTS-001」

■特徴

アルミニウムの塊を削り出してつくられている「OOPARTS-001」。エンドミルによる切削痕が波のような文様となり、そのまま刃先を形成するデザインとなっています。

開梱ナイフ「OOPARTS-001」

この波のような文様は、握った時には指が掛かって滑り止めの役割もし、金属の塊とは思えないほど手触りがよく、手になじむものとなっています。また表面処理としてアルマイト処理を施しており、通常のアルミニウムより耐腐食性や耐摩耗性が高くなっています。

開梱ナイフ「OOPARTS-001」

■デザイナー・桝永絵理子さん(AATISMO)のコメント

2020年夏にコロナ禍の真っ只中で受注が減少した際、「新しいことに挑戦したい」という金属切削加工会社であるクライアントと共に製品のデザインがスタートしました。

そんな時だからこそ必要なプロダクトとは何か?と考えた時、家にいる時間が増え、その生活を楽しむためのアートのような、それがあることで気持ちが華やぐようなものにしたいと考えました。

また、外に出られず通販を利用することも多くなりましたが、荷物を受け取るたびにハサミを開いて利用することへの煩わしさや、玄関にずっとハサミを出しっぱなしにしておくことの物騒さを感じており、玄関先にも美しく飾っておくことができる、オブジェのような開梱ナイフをデザインしました。この製品を使うことで、ただの作業だった開梱という行為を楽しんでもらえたら幸いです。

開梱ナイフ「OOPARTS-001

ブランド:OOPARTS

OOPARTS(オーパーツ)とは、out-of-place artifacts(場違いな工芸品)の頭文字を繋げた語です。主に出土品などが、考古学上その成立や製造法などが不明であったり、当時の文明の加工技術や知見では製造が困難もしくは不可能に見える場合に使われます。

そのOOPARTSという言葉を「場所や時代を超えて素材と技術が出会ったもの」と捉え、今後その名の下にシリーズ化し、展開を行っていきます。今回はそのシリーズの皮切りとなる一番初めの製品となり、001のナンバリングを冠しています。

デザイン:AATISMO

中森大樹(工業デザイナー)、海老塚啓太(建築家・コンセプトデザイナー)、桝永絵理子(建築家)の3人によって東京を拠点に結成。アートとテクノロジー、原初と未来、そして野生の思考と科学的思考の融合をテーマとし、分野を横断した活動を行っています。

サイズ Φ78×H19mm
素材 アルミ合金、アルマイト(陽極酸化処理)仕上げ
内容 1個入り
重量 145g
価格(税込) 11,000円
用途 開梱ナイフ
デザイン AATISMO
製造・販売 株式会社セイワ