画家・大竹伸朗が1978年から2019年現在まで約40年間継続して制作を続けている「ビルディング・シリーズ」＝「ビル景」の全作品を収めた画集「大竹伸朗 ビル景 1978–2019」が、HeHeより4月中旬に発売される。価格は9,800円（税別）。

「ビル景」は、その大半が実在の風景の写実ではなく、香港やロンドン、東京といったさまざまな都市の記憶と、意識的・無意識的に断続的に現れる「ビルのある風景」やそこに伴うイメージによって描かれた作品。画集には、2000年代に行われたいくつかの展覧会での経験から、作家自身が3年余りをかけて「ビル景」作品を調査し、集められた全作品830点が時系列で収録される。

「続けようとすることよりも続いていってしまう事柄の中に探しものはいつも隠れている」（『新潮』2019年4月号より）と自身が語るように、画業約40年の作品群からは、その時折々の環境や心情による変化が垣間見えると同時に、大竹の一貫して変わらぬ制作意欲を感じることができる画集に仕上がっている。

装丁には活版印刷が施され、特別付録として「活版画」を封入。さらに、キュレーターの保坂健次郎による「ビル景」論が収録される。

また、本書の発売にあわせて熊本市現代美術館（4月13日～6月16日）、水戸芸術館（7月13日～10月6日）にて展覧会「大竹伸朗 ビル景 1978–2019」が開催される。

http://hehepress.com/shinroohtakebldg1978-2019/
https://www.camk.jp/exhibition/ohtakeshinro/