第289回 大西麻貴+百田有希/o+h (建築設計事務所)

[桐山登士樹の推薦文]

今月は2月に新国立美術館の会議室でおこなわれた、経産省デザイン政策研究会ではじめてお会いした建築家の大西麻貴さん。パートナーの百田有希さんとはまだお会いできておらず、今後会える機会を楽しみにしている。

まず目に留まるのは、2023年日本建築学会賞作品賞を受賞した、山形市南部児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」の清々しさ。かたちをつくるより場をつくるほうを優先する方たちだと想像する。そして伸びやかで癖のない建築は、街や地域に自然に溶け込んでいる。これは機会をつくって実物を見に行かなくてはならない。

そして、何といっても開催中の「第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」の日本館の展示は必見か。以前ネットで日本館キュレーターの指名コンペ参加者・企画案は拝見したが、1分の1サイズでお二人のキュレーションを確認したい。また、第208回にご紹介した森山茜さんのテキスタイルがどんな効果を生んでいるのかも拝見したい。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

大西麻貴+百田有希/o+h(建築設計事務所)

大西麻貴+百田有希/o+h(建築設計事務所)

大西麻貴(写真左)と百田有希(写真右)による建築設計事務所。おもな作品に「シェルターインクルーシブプレイス コパル」(2022 年)、「Good Job! Center KASHIBA」(2016年)、「多賀町中央公民館 多賀結いの森」(2019年)、「二重螺旋の家」(2011年)。おもな受賞に、2023年日本建築学会賞(作品)、第2回日本建築設計学会賞大賞(2018年)、JIA 新人賞(2018年)など多数。第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館展示のキュレーター(大西)、副キュレーター(百田)を務める。

http://www.onishihyakuda.com/