第233回 髙橋賢悟 (金工作家)

[桐山登士樹の推薦文]

9月3日に放映の「美の巨人たち」で特集されたのは、鋳造作家の髙橋賢悟さんの「flower funeral(花葬)」。髙橋さんは、最も難しい極薄の鋳物の限界(超絶技巧)に挑み、精緻な作品づくりに挑戦しているアーティストだ。

7月下旬に上野のトラットリアで、何人かのジュエリー関係者と食事をする機会があった。その時、髙橋さんと富山の世界的な金属作家・畠山耕治さんとご一緒する機会を作ろうと話は盛り上がった。近い将来その機会をつくらなくてはならないが、先日髙橋さんに再度お会いして番組では紹介しきれなかった製作上の秘話(想い)を伺った。作品づくりは忍耐と探求と表現の葛藤と対峙する作業、想像以上に過酷で厳しい。しかし作品に入魂する思いがあるから自然と創作に向かわせる。クリエイティブな作業では、ありのままの姿で向かうのが良いなと改めて思った。5年後にはさらにステージが拡大していることであろう。

designディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

髙橋賢悟(金工作家)

髙橋賢悟(金工作家)

鹿児島県出身。東京藝術大学工芸科卒業、同大学修士課程鋳金研究室卒業。同大学の教育研究助手、非常勤講師をしながら作家活動を行う。第7回佐野ルネッサン鋳金展大賞、伝統工芸日本金工展新人賞、東京藝術大学エメラルド賞など、他にも数多くの賞を受賞。また、独自に研究してきた生花をアルミニウムで精巧に鋳造する現物鋳造法は高い評価を受け、「驚異の超絶技法!明治工芸から現代アートへ」に参加。作品は、TV、雑誌、webマガジンなど多くのメディアにも紹介されている。現在はその技法と表現をさらに研究するために、東京藝術大学博士課程に在籍している。 (Photo:橋本憲一)

http://www.kengo-takahashi.jp/