origin as a human

2015

東日本大震災以降、「死と生」をいうものを強く意識するようになり、経済的で合理的な現代社会から死生観を見出し、作品を展開しています。その作品が「the flower funeral」シリーズです。

「origin as a human」は、シリーズ最初の作品。震災は、ニュースで報道される遠い国でのテロや戦争を実感のない他人ごとのように感じていた私に、その悲惨さをより身近なものとしてイメージさせるようになりました。人同士が殺しあう人災。悲しみと憎しみの連鎖を断ち切るために、死を悼む心というものを再認識する必要があると考えました。

本作品は人の根源にある死を悼む心を想起させ、命の尊さの再認識を目的としました。作品は生花を型取るという現物鋳造法で、ネアンデルタール人の頭蓋骨を表現しました。大きな花は日本の仏花であり、頭蓋骨を成形している小さな花は忘れな草です。忘れな草の花言葉は「真実の愛」です。

ネアンデルタール人は人属で初めて死者に花をたむけた人。現代のように複雑な社会に縛られることなく、純粋な悲しみから自発的に行ったのでしょう。それは同時に純粋な愛が存在したことも意味していると思い、作品のモチーフとしました。

Photo:橋本憲一

origin as a human(金工作家)

髙橋賢悟(金工作家)

鹿児島県出身。東京藝術大学工芸科卒業、同大学修士課程鋳金研究室卒業。同大学の教育研究助手、非常勤講師をしながら作家活動を行う。第7回佐野ルネッサン鋳金展大賞、伝統工芸日本金工展新人賞、東京藝術大学エメラルド賞など、他にも数多くの賞を受賞。また、独自に研究してきた生花をアルミニウムで精巧に鋳造する現物鋳造法は高い評価を受け、「驚異の超絶技法!明治工芸から現代アートへ」に参加。作品は、TV、雑誌、webマガジンなど多くのメディアにも紹介されている。現在はその技法と表現をさらに研究するために、東京藝術大学博士課程に在籍している。 (Photo:橋本憲一)

http://www.kengo-takahashi.jp/

2018/10/17 10:30