第219回 we+ (コンテンポラリーデザインスタジオ)

[桐山登士樹の推薦文]

毎年2月にフランクフルトで開催されるアンビエンテのホール11の一角に、安藤北斗さんは立っていた。選ばれたデザイナーが凌ぎを削る場に、今回は鋳物で使われるロストワックスを活用した花器「Disguise」を持ち込んでいた。このデザインは球体からこぼれ出る陰影が、花と花器との関係性を逆転させるポエティックでコンセプチュアルな作品だ。安藤さんは、パートナーの林登志也さんと「we+」というデザインユニットを結成している。これまでパリやミラノでも彼らのデザインに遭遇する機会は幾たびもあったが、どれ一つとして同じことを繰り返さない表現力が魅力だ。彼らは間違いなく現代のデザインのど真ん中にいて、多様なエレメントを編み直し、追い求めている志士たちなのだ。こうした行為の先にどんな世界が開けて行くのか、しばし立ち止まり眺めてみたい。

designディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

we+(コンテンポラリーデザインスタジオ)

we+(コンテンポラリーデザインスタジオ)

林登志也と安藤北斗により2013年に設立された、東京を拠点に活動するコンテンポラリーデザインスタジオ。林は1980年富山県生まれ、一橋大学卒業。安藤は1982年山形県生まれ、セントラル・セント・マーティンズ卒業。プロダクト・インスタレーション・グラフィックなど、多岐にわたる領域のディレクションとデザインを行ない、テクノロジーや特殊素材を活用した実験的なアプローチを追求している。国内外での作品発表のほか、「Gallery S. Bensimon」(パリ)や「Rossana Orlandi」(ミラノ)などのデザインギャラリーに所属。おもなコミッションワークとして、Sony、マリメッコ、三越伊勢丹、フィンエアー、森美術館がある。DSA日本空間デザイン賞金賞、グッドデザイン賞他受賞多数。
http://www.weplus.jp