第196回 児玉哲彦 (ディレクター / デザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

モノからコトへ、デザインの時代の流れの中でアメーバーの様に存在感を増しているのは、児玉哲彦さんの様なユーザーインターフェイスの研究開発を行っている人たちだ。彼らは人間の基礎的要素を感情面も含めて、知的システムとして分析し、記号化する認知科学の分野の人たちだ。この分野で一番重要なことは「仮説形成=abduction」である。児玉さんと話していてもファジー領域とデジタル領域が交差して、瞬間的には頭がグジャグジャになるが、最後はソフトウェアとして具現化される。今後もっとも重要視される領域であり、新たなデザイナーだ。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

児玉哲彦(ディレクター / デザイナー)

児玉哲彦(ディレクター / デザイナー)

10代よりCGを用いたバーチャルリアリティ作品やTV番組向けの映像制作などを行う。慶應義塾大学でCG、ユーザーインタフェース、モバイル、IoTについての研究に従事。学会賞、特許取得等の成果を挙げる。その後スタートアップにて地域情報メディアの開発(App Store Best of 2012、40万人が継続的に利用)、上場企業にてモバイルキャリアの立ち上げとスマートフォンの開発(グッドデザイン賞2014受賞)などを経て、2014年に株式会社アトモスデザインを設立。国内外の大手メーカーからスタートアップまでのさまざまな事業者を対象に、モバイル、バーチャルリアリティ、IoTの分野の製品のデザインおよび開発に取り組んでいる。ビジネスブレイクスルー大学専任講師。博士(政策・メディア)。
http://atomos-design.com/