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2007 / 映像インスタレーション、サイレント(協賛:株式会社明光堂)

大学院での修了制作として、講義室の机上面が映像で満たされるインスタレーションを発表した。連結された長机をスクリーンに見立て、画鋲、色鉛筆、カラークリップ、マッチ、洗濯ばさみなど、文房具や身近な日用品が大量に降り積もる実写映像を投影した。大量生産される工業製品が降ってくるというシニカルな作品だが、見慣れたプロダクトが意味や用途を削ぎ落とされて抽象化される。黄金色の画鋲が虫に、空色の洗濯ばさみが魚の群れに見えたりと、人工物が均質にばらまかれる様子は美しさだけでなく、無機的なものが有機的なものへと無意識に見立てられる驚きがあった。本作で2007年NHKデジスタ・アウォード2007インタラクティブ/インスタレーション部門グランプリを受賞。

Photo by Mitsuhisa Miyashita

志村信裕(アーティスト)

志村信裕(アーティスト)

1982年東京都生まれ。2007年武蔵野美術大学大学院映像コース修了。「光をあてる」をテーマに、これまで一貫して映像プロジェクションによるインスタレーションを発表。身近なものを題材にした実写映像を日常風景に重ねあわせることで、見慣れた風景に新たな視点をつくりだす。近年では代表作《赤い靴》をきっかけに国内外のパブリックスペースを中心とした屋外プロジェクトにも多数参加し、その表現は場所に限定することなく自由に展開される。2007年NHKデジスタ・アウォード2007インタラクティブ/インスタレーション部門グランプリ、2011年地域が選ぶ黄金町バザール賞を受賞。
http://nshimu.blogspot.com/

2012/2/8 0:00