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2008 / 映像インスタレーション、サイレント(協賛:株式会社明光堂)

TBS主催の現代美術展「赤坂アートフラワー08」出品作。元料亭という特異な展示スペースを与えられ、和室でしかできない映像インスタレーションとして浮かんだのが待ち針の頭をスクリーンにするというアイデアだった。畳三畳分に33万本の待ち針を直接差し、待ち針の頭をスクリーンにした。木漏れ日が差す木々の実写映像が投影され、畳を覗くと待ち針の隙間から小さな木漏れ日が実際にこぼれていることが分かる。プロジェクターの光源を太陽に、待ち針を木に見立てて縮小された世界を畳上に表現した。

Photo by Ken Kato

志村信裕(アーティスト)

志村信裕(アーティスト)

1982年東京都生まれ。2007年武蔵野美術大学大学院映像コース修了。「光をあてる」をテーマに、これまで一貫して映像プロジェクションによるインスタレーションを発表。身近なものを題材にした実写映像を日常風景に重ねあわせることで、見慣れた風景に新たな視点をつくりだす。近年では代表作《赤い靴》をきっかけに国内外のパブリックスペースを中心とした屋外プロジェクトにも多数参加し、その表現は場所に限定することなく自由に展開される。2007年NHKデジスタ・アウォード2007インタラクティブ/インスタレーション部門グランプリ、2011年地域が選ぶ黄金町バザール賞を受賞。
http://nshimu.blogspot.com/

2012/2/8 0:00