つくるべきは“集団”ではなく、想いを共有した“チーム”。「ディスカッション」と「振り返り」でブレない軸をつくる-株式会社アカツキ(1)

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つくるべきは“集団”ではなく、想いを共有した“チーム”。「ディスカッション」と「振り返り」でブレない軸をつくる-株式会社アカツキ(1)
多様なバックグラウンドをもった「個」が集まる組織に焦点を当て、企業としての独自のカラーの打ち出し方や、新しい体験をつくるデザイン手法などを3回にわたって紹介していく連載「強い組織のつくりかた」。モバイルゲーム事業を主軸に、2010年の創業から右肩上がりの成長を続けている株式会社アカツキ(以下、アカツキ)の強さを、初回は【イノベーション&ブランド】に焦点を当て展開したが、今回は【カルチャー】という切り口からアカツキの魅力に迫っていく。前回に引き続きCDO(チーフデザインオフィサー)である村上一帆さんに加え、各セクションをリードする3名のメンバーに、自社サービスならではの魅力やアカツキとしての世界観の構築の仕方、同社で働くことの魅力などをうかがった。
「Why」から考えるものづくり、プロダクトの成長にコミットし続ける

――カサハラさん・小畑さん・山田さんの前職でのお仕事と、アカツキに抱いていたイメージをうかがえますか。

カサハラ トモアツさん(以下、カサハラ):私は今年で入社3年目になりまして、おもにサービスのUIデザインを担当しています。それまでは飲食系事業のインハウスデザイナーやグラフィック・ブランディングのデザイン会社に勤めていたので、自社でのゲームやサービスの開発や運営はまったく未知の領域でした。

入社前にアカツキを見学する機会があったのですが、若いメンバーが試行錯誤しながらいろんなことをやっているのがわかり、「活気にあふれている」というのが第一印象でした。それまでの自分のキャリアを振り返ると、成熟した企業とのやりとりが多かったこともあり、未知の領域にあえて踏み込んでみるのもおもしろいかもしれないと思いました。

株式会社アカツキ UX/UI クリエイティブディレクター カサハラ トモアツさん

株式会社アカツキ UX/UI クリエイティブディレクター カサハラ トモアツさん

小畑公良さん(以下、小畑):イベント会社や広告会社など、いくつかの業種を経験してきましたが、前職と前々職では同じようなモバイルゲームの業界にいました。アカツキのコーポレートサイトで会社の想いや理念を読んだ時に、ビジネスだけがゴールではない、いい意味でモバイルゲーム会社っぽくないイメージを受けたので、「この会社なら仕事を通じてもっと世の中に貢献できるかもしれない」と感じました。いまはゲーム事業の1プロダクトでデザインリーダー兼UIデザインをしています。

山田沙知枝さん(以下、山田):アカツキのイメージは「まだまだいろいろな可能性を秘めた若い会社」でした。前職ではモバイルゲームの開発・運営会社、前々職では販促ツールなどのデザイン会社に勤めていました。今年で入社3年目で、アカツキではゲーム事業における1プロダクトのUIデザインリーダーを務めています。

株式会社アカツキ ※職種※ 山田沙知枝さん

株式会社アカツキ デザイナー 山田沙知枝さん

――前職の経験を踏まえて、アカツキのように自社サービスで発信できることの魅力はどんなところにありますか?

カサハラ:アカツキではまずビジョンや戦略を立てるところからはじまり、さらにプロダクトをリリースした後もユーザーの反応を見て可能な限り改善するなど、プロダクトの成長に中長期でコミットできるので、そこが自社制作の魅力だと思います。外部のデザイナーとしての立ち位置だと、切り出したデザインタスクの部分だけを制作して終了することも多かったので。

社内にいろんな人がいることも刺激になっています。デザイン会社ではデザイン部分にのみフォーカスしてアウトプットしていましたが、アカツキではコミュニケーションを取る相手も多く、事業責任者、エンジニア、運用メンバーなど、プロダクトの開発に向けて職種をまたいだミーティングもたびたび行われます。そうすると、いままでと違う視点で物事を見るようになり、そこにプラスαでデザインの視点を入れることで、新たな着地点が見つかるのはとても勉強になります。

山田:クライアントワークの場合、「なぜそれをやるのか?」という本質から考えてものづくりすることが難しかったので、できる範囲、依頼していただける範囲がどうしても限られてきます。そのため消化不良な部分もあったのですが、アカツキでは「Why」から考えるものづくりが基本です。つくって終わりではない、ユーザーと長い時間をかけてより良いサービスにするためのものづくりができるのが魅力ですね。

徹底した振り返りがアカツキのカルチャー

――プロダクトづくりでこだわっているのは?

小畑:プロジェクトごとにターゲットを絞ったり、「なぜこのプロダクトをつくるのか?」というキャッチコピーを立てたりしているのですが、はたしてこのキャッチコピーでいいのか、あるいはそれに対してきちんとできたかどうかを、プロジェクトメンバー全員でしっかり話し合います。プロダクトの世界観を維持してアップデートするための時間はとても大事にしています。

株式会社アカツキ ※職種※ 小畑公良さん

株式会社アカツキ デザイナー 小畑公良さん

山田:そうですね。そのプロダクトを通してユーザーにどういう想いを伝えたいのか、どういう体験をしてもらいたいのかをメンバー全員で突き詰めて議論して、共通認識を握るための言語化をしっかりすることがとても重要です。

あとは自分自身がイベントに足を運ぶことで、ターゲットユーザーが見ている目線や場を体験することも大切にしています。机の上で考えるよりも、実際に足を運ぶことで違った気づきを得られることは多いです。市場で見た時に何がプロダクトの魅力であり、オリジナリティなのかをチームの中で明確にして、デザインに落とし込むことを意識しています。

――みなさんで想いを共有するための決まったやり方みたいなものはありますか?

村上一帆さん(以下、村上):3か月に一度くらいのペースで、プロジェクトメンバーが集まり、フィードバックやアップデートをがっつり半日ほどかけて行う時間をとっています。人数はプロジェクトによって30人くらいの時もあれば、80人くらいの時もあります。この振り返りをメンバー間できっちりやるのがアカツキの文化で、会社単位でも半期に1度のペースで合宿を行い中長期的な話し合いをする場を設けています。

1つのプロダクトについてどのような振り返りを行うか、枠組みを立てて準備をすることも時間がかかり大変な作業なのですが、これをやることで最初は職種間でバラバラだった意識が統一されていきますので、あえてここには時間を割いています。

株式会社アカツキ CDO 村上一帆さん

株式会社アカツキ CDO 村上一帆さん

カサハラ:問題としてよく起きがちなのが、デザイナー間ではこのUIでいいと思っていても、いざエンジニアに見せてみると「これは必要なの?」「これが足りなくない?」といった指摘が入ることです。積み上げてきたもののベースが違いますので、認識や視点に差があるのは当然です。そこを深くディスカッションすると、エンジニアが大切にしているポイントも見えてきます。最終的にどんなアウトプットであれば双方の要点をうまく落とし込めるのかをとことん話し合います。

認識のズレや課題をまずテーブルに上げて、ディスカッションして、それをどう解決してユーザーの元に届けるか。課題発見から解決、ユーザーの反応とそれに対する改善策などを細かく分解してトライすることを、チームで頻繁に行います。ほとんどがその積み重ねといってもいいかもしれません。

村上:デザイナーがデザインだけを、エンジニアがエンジニアの仕事だけをしてればいいわけではなく、関わる範囲はとても広いです。そこで重要なのはプロダクトの「軸」をどこに置くかです。それを最初に明確にしておくことで、みんなが同じゴールに向かうためのディスカッションができます。振り返りもそれに紐付いて行うからブレないというのは大きいですね。

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