成田国際空港第3ターミナル(LCC専用ターミナル)、空港はアプリや法律に似ている?!PARTY伊藤直樹氏インタビュー(3)

成田国際空港第3ターミナル(LCC専用ターミナル)、空港はアプリや法律に似ている?!PARTY伊藤直樹氏インタビュー(3)

空港をデザインすることは、アプリ開発や学生のとき学んでいた法律と共通するところがあるという。意外に思えるその背景を聞いた。

「空港を利用する方々のほとんどの体験はリニア(連続)なんです。駅に降り立って、長い距離を歩いて、ゲートに辿り着く。動線がシンプルです。PARTYがいつもデジタルでやっていることは、消費者の行動を消費まで促す動線を作ること。僕らはそれをコンシューマージャーニーと呼んでいます。これは空間でも、デジタル空間でも、思考回路はそれほど変わらない。そんなに違ったことをやっているつもりはないのです」

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「ポスターを見て、液晶に入っていく、そのUI(ユーザーインターフェイス)が三層になっている。それは三階建てのビルに入っていくのと同じ。インフォメーションアーキテクトという専門職がありますが、まさにそういうことだと思います。ショッピングモールでは行動が多種多様なので難しいと思うのですが、空港の場合は単純な行動のタイムラインがあるので、それを空間に置いていけばよかった。アプリよりもシンプルです。リニアな行動を青い線でつないでいったのです」

サインを吊るコストも削減し、天井のスレートに施工

サインを吊るコストも削減し、天井のスレートに施工

搭乗前の待ち合い

搭乗前の待ち合い

「法律も実は言葉の建築みたいなところがあるんです。条文には一つたりとも余分がありません。条文の言葉の解釈は、判例によって構築されている。極めてロジカル。そして何十年も使うものなので、少しずつ改善される」

「もともと子どもの頃は建築家になりたかったんです。幼稚園から絵画教室に通っていたのですが、好きでずっと続けていました。子ども心に『もっと広い家に住みたいな』と住宅のチラシを集めるようになって、好きな家を描いたり作るようになって、設計の初期段階ですよね。そういう夢を持ちながらスポーツに没頭して、大学生のときに映像とインターネットに圧倒されたので、どこかで建築が抜け落ちてしまったのでしょう」

黒いメッシュターポリンにシルク印刷のサイン、梁を包む網に設置しており、下地は無い

黒いメッシュターポリンにシルク印刷のサイン、梁を包む網に設置しており、下地は無い

フォントはシャルル・ド・ゴール空港のために開発されたフルティガー (Frutiger)をベースにしたNeue Frutiger

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成田空港第3ターミナル
http://www.narita-airport.jp/t3/jp/

PARTY
http://prty.jp