
今、デザインはどこにあり、デザインに何が起きているのか?
本書ではこの問いに応えるために、日本を含む世界中から集めた99の「デザインリサーチ」の実践例を領域ごとに紹介しています。
監修・編著は川崎和也。そのほか参加編著者として、ライラ・カセム、島影圭佑、榊原充大、木原共、古賀稔章、ドミニク・チェン、砂山太一、太田知也、津田和俊、高橋洋介。寄稿はヤンキー・リー、大橋香奈。インタビュイーはジュリア・カセム、ブルース・スターリング、ジェームズ・オーガー、パオラ・アントネッリ。
多様な編著者による事例一つひとつの説明とその文脈解説、各領域のデザインに見通しを与えてくれる論考、さらに海外のキーパーソンへのインタビューから、広域におよぶデザインの現在形を浮かび上がらせます。
グローバリズム以後、インターネット以後、そして人新世以後のデザインを考えるうえでヒントとなる、豊富な実践と理論、歴史と文脈が込められた一冊です。
岩井周大(編集者)おすすめコメント
312ページ、(ほぼ)オールカラーの本として、数多くのデザインの実践と知識、そして思索が束ねられました。とがった洋書の翻訳版のように見えるかもしれませんが、日本で企画・出版を実現することができたデザインリサーチの本です。「デザインリサーチ?」と思われた方は、冒頭に収録した代表編著者・川崎和也さんの論考を本書ウェブサイトで全文公開(PDF)しているので、ぜひ読んでみてください。
本書には数多くのテキストが収録されていますが、具体的なデザインの方法論、つまりこうすればあなたもこんなデザインができるようになる、ということは書かれていません。その代わりに、こんなデザインの方向性がありうるのではないか、こんな世界の捉え方がありうるのではないか、という視座は惜しみなく収録されています。すぐさま解を求めるのではなく個別の問題にしぶとく向き合うこと、そして、ありうべきデザインへの視座を重ね合わせながら、実践がもつ意味や文脈について考え続けること。それは、ともすれば暗い気分になってしまいそうな時代に求められる、デザイナーとしてのひとつの態度なのかもしれない。編著者とともに本書を作りながら、そのように思わされました。
デザインを語るうえでの中心らしきものがなくなってしまったいま、現在そして未来の人々があらためてデザインを考えるための一助となれば幸いです。
発行 | ビー・エヌ・エヌ新社 |
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監修・編著 | 川崎和也 |
編著 | ライラ・カセム、島影圭佑、榊原充大、木原共、古賀稔章、ドミニク・チェン、太田知也、砂山太一、津田和俊、高橋洋介 |
寄稿 | ヤンキー・リー 、 大橋香奈 |
翻訳 | 藤吉賢 |
執筆・編集協力 | 白米航 |
翻訳協力 | 垣貫城二 |
デザイン | 村尾雄太 |
仕様 | B5判変形、312ページ |
価格(税抜) | 3,200円 |
ISBN | 978-4-8025-1139-1 |