ビー・エヌ・エヌのおすすめ書籍

デザインはストーリーテリング

「体験」を生み出すためのデザインの道具箱

デザインはストーリーテリング

本書は、デザインの領域が広がり、人々への影響力が認識されつつある現代における、デザイナーのための入門書です。今や、何かを「作って終わり」ではなく、制作物を含めたプロジェクト全体を設計していくことが求められています。そんな時代のデザインにおいてキーとなるのが「物語(ストーリー)」です。

構成は3部からなり、
1.アクション:多くのストーリーが持つ基本パターンを活用しながら、ものごとの展開をデザインするために
2.エモーション:人々の気分や感情を汲み取ったり動かしたりするために
3.センセーション:人々の知覚や認知を方向づけるために
知っておきたい知識や手法がコンパクトにまとめられています。

「ストーリーテリング(物語ること)」が持つ力によって、プロジェクトに人々を巻き込み、関わり合い、そしてよりよいデザインを実践するためのリファレンスとしてお使いください。

(解説:須永剛司)

岩井周大(編集者)おすすめコメント

本書を読むと、日常のあらゆるところで「ストーリー(物語)」とデザインが関与していることがわかります。人にプロジェクトの内容を伝えるとき、ネットショップでほしい商品を見つけたとき、シャワーを浴びるとき……。特に、人々の意思決定に関わるタイミングにおいて、「ストーリー」は強力に作用します。本書は、そんな問題解決に収まらない「ストーリー」が持つ力を、その倫理とともに学べる本となっています。デザインのための語彙を増やしながら、有用な道具をセレクトできるリファレンスとして活用できるので、あらゆるサービス/プロジェクトに従事している方々におすすめの一冊です。


著者であるエレン・ラプトンは、タイポグラフィへの関心とともにそのキャリアをスタートさせ、自身もグラフィックデザイナーでありながら数多くの著作を残しています。さらに、メリーランド美術大学(MICA)ではディレクター、クーパーヒューイット・スミソニアン・デザインミュージアムではシニアキュレーターを務めています。ミュージアムという広く知を公開する機関での経歴や、その著書『Beautiful Users: Designing for People(万人のためのデザイン、小社刊)』や『D.I.Y.: Design It Yourself』のタイトルから感じられるように、彼女はデザインを人々にひらくことを自身の使命としているのかもしれません。本書の原著名『Design is Storytelling』というなかなか強気なタイトルは、いかに人々と共有し、関わり合うかを考えてきた著者ならではのものなのでしょう。


発行 株式会社ビー・エヌ・エヌ新社
著者 エレン・ラプトン
デザイン 中山正成(APRIL FOOL Inc.)
仕様 B5判変型、168ページ
価格 2,500円(税抜)
ISBN 978-4-8025-1099-8