
|

株式会社リコー(以下リコー)のデジタルカメラは、世界的に最も権威のあるデザイン賞の一つ、iF賞(iF product design award)で、2010年度に3機種が
受賞を果たすなど、機能・性能・デザインに対する国際的な評価をさらに高めている。リコーは電子機器分野でもデザインに力を入れており、複合機などでも多くのデザイン賞を受賞している。リコーのデザインが、国内だけでなく世界的な評価を受けている要因はどこにあるのか。リコー 総合経営企画室 総合デザインセンター イノベーションデザイン室室長の石田章氏、同センター デザイン事業戦略室 スペシャリストの斉藤和幸氏にお話を伺った。

東京デザイナーズウィークで盛り上がる2009年11月、デジタルカメラのコンセプトモデルを展示する「in focus」がリコーのフォトギャラリーRING CUBE(銀座)にて開催され、各方面からの注目を集めた。展示されたデジタルカメラは、リコーの社内コンペで選ばれた次世代のカメラで、指輪型や積み木型など今後のカメラの可能性を広げる5つのモデル。本当にこんな商品があったらいいのに、と思える未来のカメラには、リコーが培ってきたデザイン力の高さが感じられる。
デザインの業界における、リコーの製品へのデザイン評価は高まっているが、「リコーのデザイン力は顧客にあまり認識されていない」と斉藤氏は感じていた。これまで、デザインを中心に据えて外部に発信してこなかったが、もっとリコーのデザインを多くの人に知って欲しい、リコーのデザインに対する外の声が聞きたい。そんな思いで、総合デザインセンターが中心となり、公開を前提とした社内コンペが企画された。その成果が「in focus」展である。
一般的にデザイナーが社内でどのような立場に置かれるか、製品を作るうえでどのように関わっていくのかは、企業によって異なる。リコーは「総合経営企画室」という企業の要の部署の中に総合デザインセンターを据えている。会社の中枢である部署にデザイン部門を設置するということは、リコーがデザインを重視していることの表れだと言える。
総合デザインセンターのカメラのデザイナーは世界的企業にしては少数精鋭だ。重要なのは人数を揃えることではない。デザインという仕事の役割である。デザイナーに求められるのは、視点の新しさだ。今までの仕様に縛られずに発想するのが総合デザインセンターの役割である。“何を作ろうか”という商品開発のスタート時点から関わるため、デザイナーからの提案が新商品に検討される。
「リコーのトップは、2代続けて開発部門出身ということもあり、デザインが機能・性能に与える影響も分かっています。デザインによって商品を差別化できると
いう期待も、設計者の発想をデザインで柔らかくしたいという気持ちも、年々強くなっていると感じています」(石田氏)
|

|

【1】2010年のiF賞を受賞したデジタルカメラ3種。上からGR DIGITALⅢ。下左がCX1、下右がCX2
|

【2】「in focus」展の様子。会場は銀座4丁目交差点、三愛ドリームセンターの8F・9FにあるリコーのフォトギャラリーRING CUBE(写真提供:リコー)
|

【3】「in focus」で展示されたデジタルカメラのコンセプトモデルを前に、お話を伺った
|

【4】中央:リコー 総合経営企画室 総合デザインセンター イノベーションデザイン室室長 石田章氏、左:同センター デザイン事業戦略室 スペシャリスト 斉藤和幸氏、右:JDN編集長 石井
|
|

|