SHIRO 玉川髙島屋S・C店

手作業で磨かれた、なめらかで浮遊感のあるカウンター

デザインコンセプト
担当:鬼木孝一郎、藤木景介/ODS
2020年7月、自然の素材にこだわった製品を提案するコスメブランド「SHIRO」の新しい店舗が、玉川高島屋S・C内にオープンしました。

空間デザインを担当したのは、鬼木デザインスタジオ(ODS)の鬼木孝一郎さんと藤木景介さんです。美術館にあるオブジェのような印象に残るカウンターと、広い間口を活かして空間をつくり上げたおふたりに、デザインコンセプトや手法などを伺いました。

■コンセプト

店舗の場所となったのは、玉川高島屋S・C内の共用通路に面した、間口19m・奥行き1.3mという細長い区画でした。二子玉川の自然豊かでのびやかな街の様子をイメージし、開放的な心地よさを感じる空間を目指してデザインをしました。

SHIRO 玉川髙島屋S・C店

間口19m、奥行き1.3mの細長い区画

■手法、特徴

広い間口を生かし、共用通路に沿って1つの大きな白いカウンターを配置しています。ディスプレイスペース・商品棚・レジ・収納などの必要な機能はカウンター内に集約し、その土台をセットバックさせることにより、シンプルで浮遊感のあるデザインとしました。3.7mのキャンチレバーとなっている端部は、先端を薄く仕上げることでのびやかな印象を強調しています。

SHIRO 玉川髙島屋S・C店

キャンチレバーの先端を薄くし、のびやかさを表現

カウンターと壁面には、ふたつの異なる天然素材をベースとした左官材を使用し、それぞれ違う質感をつくり出しました。壁面は半乾きの状態で骨材を掻き落とすことにより凹凸をもたらし、繊細な陰影が特徴的な仕上げとしています。

カウンターは手作業で丁寧に磨き、なめらかな質感に仕上げることで、製品のシンプルなデザインをより引き立てました。自然の恵みをそのまま製品に活かすSHIROのものづくりへの想いを、空間的に表現することを目指し、素材にもこだわりました。

SHIRO 玉川髙島屋S・C店

所在地 東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋S・C 南館1F
設計 鬼木孝一郎、藤木景介/ODS
施工 株式会社丹青社
延床面積 30.9m2
竣工日(開業日) 2020年7月1月
撮影 太田拓実