数年前より個人的に注目している革張りソファメーカーの「Molinari」。人目を引く派手なデザインではなく、会場も毎年奥の方に位置しているため、日本からの来場者で目に留める方は少ないのではないだろうか。
そんな「Molinari」の特徴は、素材へのこだわりである。ブースではレザーのサンプルを見せてもらえるが、その種類の多さには驚かされる。5ミリ以上もある分厚い革を使用しているなど、一口で「革張り」と片付けられない深さがある。
社長のMolinari氏に聞いたところ、大手メーカーのブランド力にデザインだけでは対抗できないので、素材についてはどのメーカにも劣らないクオリティの高い物を使用しているそうだ。本質をわかってもらえるユーザーに購入してもらいたい、とのことだった。
今年の新作は更に詰め物(ウレタン)の固さ、反発力などにも相当こだわったとのことなので、ぜひ実際に座り心地を確かめてみてほしい。またデザインについても、大手ブランドほど尖りすぎず、スタンダードよりは進んでいるという、良い位置にいるようにも感じられる。日本市場への進出においては住宅事情に合わせた調整は必要にしても、フォルムとクオリティから見れば十分受け入れられるだろう。
■会場
サローネ会場(フィエラ) Pad.7 M24
Via Madonnina, 23 Ang. San Carpoforo Milano
http://www.molinaridesign.com/
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【 1 】 派手さはないがクリーンラインが特徴のソファ
【 2 】 凝った縫製がお分かりいただけるだろうか。実に丁寧な仕事である
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