1999年のミラノサローネに見るデザイン動向分析 |
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●ミラノ見本市展示場のメインエントランス。 昨年スカランポ通りに14、15、16の新館が完成してますますビッグな会場となった 。(写真左) ●地下鉄モンテ・ナポレオーネ駅入り口に、今年はアレッサンドロ・メンディーニ のヒット作のワインオープナーのオブジェが置かれた。昨年はマッシモ・イオ ザギーニ。(写真右) |
1999年、
フィリップ・スタルクのためのミラノサローネか? サローネに見るデザイン動向分析 以下5点にフォーカスして第1回のレポートをお送りします。 (第2回「キッチン&オフィス」はこちら)
既存のデザインを転換するような新しい動きは残念ながらない。 無駄を省いたミニマルなデザインが相変わらず主流。 これまでのデザインの色違い、素材の変更、若干のモディファイが目 に付く。 総体的に既存のデザインの成熟を感じる。(美しいが見飽きた、新鮮さがない) アルミニュウムの洗練度と異素材との組み合わせが目立つ。 今年もプラスチックが多用されている。(特にトランスペアレンシー) 軽量で安価な素材によるデザインが主流。 ザラザラした素材感をもった材料や処理(エンボス加工)を行ってい る。 白を基調としているが、組み合わせとしてメタル色が多く見られる。 トランスペアレンシーは相変わらずブームが続いている。(パステルカラー) iMacの影響からか、アクセントカラーとしてストロベリー、タン ジェリン、ライム等のMacカラーがインテリア色として使われ始めた。 この4〜5年、ミラノサローネはスタルクのためにある。カルテル、ド リアーデ、XO、カッシーナ、アレッシーほか、主要メーカーのデザインを手掛けるフィリップ・スタルクは、忙しそうに会場を飛びまわっている姿が印象的だった。 こんなに勢力的にデザインを行い、手掛ける デザインの多くが成功している(売れている)デザイナーは 過去に例がない。 他には、ジャスパー・モリソン、ロン・アラッド、カルロ・コロンボ、 ステファノ・ジョバンノーニがあげられる。 家庭用雑貨メーカーのMAGIS(マジィス)、プラスチック家具の kartell(カルテル)、コンテンポラリー家具メーカーのcappellini(カッペリーニ)、da driade(ダ・ドリアーデ)の4社が積極的にデザイン戦略を展開して いる。 次へ「ミラノサローネ報告第2回」 ■リポータープロフィール 桐山 登士樹(デザインキュレーター) 1952年生まれ。(株)TRUNKの代表取締役、富山デザインセンターで企画部長等、多彩な活動を通してデザインによる新しい環境開発やシステム開発を手がける。世界のデザイン潮流を調査分析。同時に世界の良質なデザインイベントやデザイナーを紹介。手掛けたデザイン展覧会には「クランブルックデザイン展」「MoMAマテリアル展」「フィリップ・スタルク展」「アキッレ・カスティリオーニ展」など多数。 デザインキュレーター・桐山登士樹が選ぶ 注目「デザイン&デザイナー」 ●日本とイタリアの出会い - 企業文化とデザイン - ●佐藤和子「イタリアデザインの思想」 □ 2004 ミラノサローネ |
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