現代美術家としてデザイン家具を発表
1983年よりイタリアを拠点に制作、発表を続けている現代美術家の伊藤福紫(いとうふくし)氏が、CAPO D'OPERA社より、SPAZIO e TEMPO/SPACE & TIMEシリーズの家具を発表しました。
現代美術家である伊藤福紫がデザインに携わるきっかけとなったのは、2008年にSUPERSDUDIOにて発表したCAPO D’OPERA社とアプリケーション・アートの家具です。そこでの成果と疑問点をCAPO D’OPERA社の社長と専属デザイナーと話あい、その結果、コンセプトの一致をみたことで、今年2011年から、アプリケーション・アートとしてでなく、デザインとしての家具として、製品をシリーズ化して作ることになりました。機能や部分にとらわれない自由な発想の家具を目指し、自身のアートにおける探求テーマをベースにした、「SPACE & TIME」をコレクション名としています。
伊藤氏はこのコレクションについて次のように語ります。「空間と時間の感覚をテーマに、自分の呼吸と宇宙の呼吸のリズムを近づけていきたいという願望であり、作品制作はそのための鍛錬でもあります。規定の形態でなく、いろいろな違った形の総合の中に平衡感覚を見いだす。それは人生の生き方にも通じると思います。それを、家具という機能を重視したものにも加えたい。生活の中で動きとリズムを感じ、それが身体をとりまき、何か感じてもらえればと思うのです。」
伊藤氏の作品は、以下URLの動画でも閲覧できます。
http://www.youtube.com/watch?v=-97gJ0OzpyQ
伊藤氏がコレクションを発表したCAPO D’OPERA社は今回、トルトーナ地区のPadiglione Viscontiにて開催された『デュポンコーリアン®「TRON designs CORIAN®」』で、ウォルトディズニーのSF映画「TRON Legacy」の空間再現プロジェクトにも参加しています。
「オリジナリティーの強い、そして世代を超えて使える質をもった家具を造る」という社長の強い意志と、職人の高い技術に支えられているCAPO D’OPERA社。既成の考えにこだわらない自由な発想で、企業の枠組みを超えた温度のある人間関係によって仕事がなされているところが、イタリア的と言えるかもしれません。
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 【 1 】 イタリアを拠点に活動する現代美術家の伊藤福紫氏。1980年東京芸術大学大学院修了。渡伊、フィレンツェに住んだ後、1985年よりミラノに移転し現在に至る。
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