心を動かす色使いや味、デザインで私たちを魅了するお菓子
2019/1/10 9:15
滋賀県高島市安曇川町にある、1932年創業の老舗和菓子店「とも栄菓舗」の若い夫婦の職人が立ち上げた、和菓子のブランド「NANASAN(ナナサン)」。材料である卵やお米、果実など、すべて滋賀県にゆかりのある食材を使った商品を展開しているのが特徴です。
その中のひとつ「MIO(ミオ)」は、地元で「アドベリー」と呼ばれる、安曇川(あどがわ)の三角州で栽培される幻の果実、ボイセンベリーを使った商品。七角形をベースとした多面体の形状は、伝統的な琥珀糖を発展させたもの。シャリっとした表面の中にはプルプルの寒天、そして底にはもちもち食感のアドベリーが入っており、3つの食感が楽しめます。
ディレクションは、デザイナーの橋本崇秀さん。ブランドの立ち上げから、お菓子の形など細部まで携わっています。「NANASAN」というブランド名は、革新的な試みを「7」、伝統的な技法を「3」とする「革新7:伝統3」の指標を掲げていることから来ているそう。新しい食体験を追求しながらも、これまでの感覚に寄り添う和菓子を創出していくという想いが込められました。
また、パッケージは安曇川をくだった筏師(いかだし)が見たであろう、川に映る夜明けを表現。白く切り取られた箇所は筏をあらわし、購入者が筏師の目線となって朝日に模した箔押しのシンボルを見るという、新しいブランドの黎明を伝えるパッケージです。
デザイン:橋本崇秀
大阪と神戸を拠点に生活用品、家具、工芸品などのプロダクトデザインを軸とし、パッケージ、グラフィック、展示ブースま
でトータルにデザインをおこなっている。