グエナエル・ニコラ氏が自身の作品集「CURIOSITY ESSENCE」発売を記念して制作した香水。本の内容は、ニコラ氏が日本に刺激を受けて得たデザインインスピレーションを表現したもので、香水も同じ考えをもとにデザインされた。香水を発表するのは12年ぶり、2度目となる。

気になる香りは檜やベルガモット、和菓子、緑茶、シナモン、白檀などをブレンドしたもの。水滴が水に落ちた時にできるような形をしたボトルは、一瞬の一滴を形にしたもの。制作はガラス職人がひとつひとつ手吹きで行い、300個の限定販売となっている。

この香水についてニコラ氏は次のように話す。

「『永遠は、一瞬一瞬に存在する』この一言から閃きを得て生まれた香水です。一瞬というものが究極の簡潔さと無限の複雑さを映し出すことを示しており、このオブジェは現実のユニークさと自然の驚くべき姿から生まれました。そして動きや重力、実体、光といったものが作り出す一瞬を、才能あるガラス工芸家が形にしました。浮遊しているかのように見えるこの一滴が表現しているのは、こだまする記憶です。また、儚さを露にする瞬間そのものであり、同時に、思いがけない美の瞬間の尊さ、価値をも表しています。“香水とは記憶の足跡、個々の意識が描く心象を再生する感覚を広げるものである。” 瞬間が多面を表現するように、香りも一瞬がもたらす複雑さを念頭に置いて創りました。」