IRIS

鏡とアクリルの素材特性を生かした時を刻むオブジェ

澄川伸一氏デザインによる置時計IRIS(イリス)。イリスはギリシャ神話に登場する「虹の女神」をあらわし、アクリルの屈折で生まれる色が虹のように見えることからこの名前がついた。

本体はアクリルの無垢材を削りだして作られており、時計の風防面の研磨技術は限られた工場でしか加工ができない難しい作業だという。時計の針頭はアルミ素材で、職人により一つひとつ旋盤で削り出されたもの。さながら針だけアクリルキューブの中を浮遊しているようにも見える。

イリスについてデザイナーの澄川氏は、『空間に描かれる「虹」のように、アクリルの屈折の効果で「美しい色」が本来は存在しない部分まで映り込みます。そして、無重力空間の人工衛星のように時計の針が空間に浮遊したまま、音もなく「時」を進んでいく。アクリルのキューブに封印された、異次元空間がここに在ります。その背後には「鏡」と「アクリル」の素材特性を最大限に生かしたトリックが潜んでいます。「時計」を超えた「時を刻むオブジェ」は、眺めているだけで気が付くと長い時間を過ごしてしまいます』と話す。

デザイナー:澄川伸一

1962年東京生まれ。1984年千葉大学工学部卒、同年SONY入社。1987年より1991年までソニーアメリカにて、北米向けWALKMANのデザインを担当。1992年澄川伸一デザイン事務所設立。三次元CADを活用した人間工学的な曲面設計が得意。グッドデザイン賞など数々の賞を受賞し、作品の多くが英国インターナショナルデザインイヤーブックに収録されている。

IRIS

サイズ W120×D63×H120mm
重量 530g
素材 アクリル樹脂、ステンレススチール(針頭はアルミ製)、ABS樹脂
仕様 スイープセコンド
価格(税抜) 28,000円