第279回 北川大輔 (プロダクトデザイナー/クリエイティブディレクター)

[桐山登士樹の推薦文]

先日、青山学院大学近くの北川大輔さんのオフィスを訪ね、少年時代から現在までの話をお聞きした。高校時代に彫刻家を目指していた北川少年、大学受験時に軌道を修正。これまで多くの人材を輩出している金沢美術工芸大学を卒業してインハウスデザイナーとなった。北川さんと同様に、現在デザイン界で活躍するデザイナーの多くが、この経緯を辿っている。

10年企業に在籍し、ミラノサローネサテリテで勝負に出た。この時の出会いや覚悟が現在の北川さんを支えているようだ。丹念な研究、あらゆる角度からの思考、そして造形、プロセスを外さないインハウスの経験と性格が安定感に繋がる。まさにこれからが注目。その確かな軌道の上にアーティストとしての自由な表現が加味される様など、さらなる成熟を見ていたい。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

北川大輔(プロダクトデザイナー/クリエイティブディレクター)

北川大輔(プロダクトデザイナー/クリエイティブディレクター)

1982年滋賀県生まれ。2005年に金沢美術工芸大学を卒業。国内電機メーカーのインハウスデザイナーを経て、2015年に株式会社DESIGN FOR INDUSTRYを設立。関わる全ての人とともに分かち合える“喜び”を創り出すことを信条に、家具や日用品から伝統工芸、家電、ロボット、先端技術研究開発、新素材開発、事業開発、都市ブランディングなど国内外問わず多彩な領域にて、“心地よい革新”という視点のもと、デザイン/クリエイティブディレクションを行う。GOOD DESIGN AWARD、GERMAN DESIGN AWARD winner、Red Dot Design Award、iF DESIGN AWARDなど受賞多数。金沢美術工芸大学非常勤講師、東北芸術工科大学特別講師。

https://www.designforindustry.jp/