Everybody Needs a Rock

2016 / ongoing

プラスティグロメレートという、新種の石から着想してはじまったプロジェクト。プラスチックゴミと自然物が、熱によって溶け固まり生成されたその石は、生分解されず遠い未来まで地層に残るといわれている。

そのプラスティグロメレートの生成プロセスを参考に、街中に落ちているプラスチックゴミ、そしてその周りに落ちている自然物を収集。それらを熱によって溶かし合わせ、カットや研磨を施し、人工石として磨きをかけていく。こうして生成された人工石はそれぞれに唯一無二の色柄をまとい、異なる物語を内包している。ダイヤモンドが単なる地球形成における地下底活動の産物であるように、この石は現代文化が生み出した堆積物である。

プラスチックごみのような見過ごされたものを祝福することで、そこに新しい価値を生み出し、日常の何気ない風景を違う角度から見る視点を提案する。

写真:Chizu Takakura

本多沙映(デザイナー・アーティスト)

本多沙映(デザイナー・アーティスト)

1987年千葉県生まれ。2010年に武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科を卒業後、IDÉEを経て渡蘭。2013年からアムステルダムのヘリット・リートフェルト・アカデミーのジュエリー学科で学び、2016年に卒業。2021年にオランダから日本に拠点を移し、国内外で自主制作作品を発表するほか、コミッションワークも手がける。

作品はオランダのアムステルダム市立美術館、アムステルダム国立美術館、アーネム博物館にて永久所蔵。著書に「EVERYBODY NEEDS A ROCK」、「Anthropophyta / 人工植物門」(torch press)など。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科非常勤講師。グッドデザイン賞審査員(2023)。

https://www.saehonda.com/

2024/1/17 15:00