横田哲郎 木の椅子展

2022

東京・表参道にあるTIERS GALLERYにて、2022年におこなった初の個展の様子です。

無機質なイメージで構成された高さのある空間で、「感動」をテーマに、その空間を活かした展示構成を行いました。特に、高さ方向の空間にリズムが生まれるよう意識しました。

また、この個展で発表した新作椅子「刀」をドラマチックに見せる工夫も取り入れました。ガラス張りの南側の壁面に対して、椅子に光が背面から当たるよう設置しました。これは「逆光」といって通常モノを撮影したり、人にモノを見せる場合には避けるセッティングとなりますが、本展ではあえてその「逆光」状態になるように椅子をセッティングし、ドラマチック感を演出しました。これにより、テーマである「感動」が観る人により伝わったと思います。

話が変わりますが、私たちはものづくりの中で、とても大切にしていることがあります。それは、「完成度」です。完璧を目指し、一切の妥協を許さず、常に高い完成度を求めています。例えばこの個展のために新たに製作した展示台は、展示台の角のほんの数ミリの面取りの角度にまでこだわって製作しました。実際の面取りのサンプルを製作してもらい、面取りの見え方の様子を何度も確認しました。

すべての仕事に対して一切の妥協を許していません。その姿勢は、今回の展示で脇役となる役目の展示台ひとつとってもです。徹底的に、とことんまでこだわってやってます。それが私たちの自信であり、誇りです。こだわりが生み出す高い完成度を持つ私たちの仕事を、ぜひその目で確かめていただきたいです。

 
横田哲郎(家具デザイナー)

横田哲郎(家具デザイナー)

1969年、東京都生まれ。東京藝術大学デザイン科を卒業。卒業後はアーティストとして活動し、26歳の時に家具の道を志す。上松技術専門校木工科を卒業。木工家の谷進一郎先生のもとに弟子入りし、徒弟制度のもと木工家具職人としての修業を積む。その後、建築設計事務所、大手家具メーカーなどで各種デザイン、設計の修業を積む。36歳の時に家具デザイナーとして独立。2021年、51歳の時に「横田椅子デザイン設計事務所」を開業。

「座るという行為をデザインし
椅子で世界を変えていく
日々の暮らしに喜びと幸せを
誰もが感じられる世界に」
これが私たちの理念です。

https://www.instagram.com/yokota.chair.design/

2022/10/12 15:15