Rust Harvest|錆の収穫

2019 / Galleria Rossana Orlandi

錆にフォーカスしたマテリアル実験プロジェクト「Rust Harvest|錆の収穫」で収穫した素材を用いた、リミテッドエディションの家具コレクション。アクリルならではの光の屈折と厚みを通して見る錆は非常に神秘的であり、まるでどこか遠い惑星の大地を覗き込んでいるかのような感覚になる。アクリルとは別に一部分だけその錆由来の金属(赤錆=鉄、青錆=銅)を使うことで、錆の色と元の素材の対比を表現した。

金属部分はあえてコーティングせず無垢のまま仕上げ、湿気などで自然と錆が発生し、何十年も経過したのちにアクリル部分の錆と同じ色になることを想定している。錆、アクリル、金属という自然素材と工業製品が融合した彫刻的な家具である。

Photo:Gottingham

狩野佑真(デザインディレクター/デザイナー)

狩野佑真(デザインディレクター/デザイナー)

1988年栃木県生まれ。東京造形大学デザイン学科室内建築専攻修了。アーティスト鈴木康広氏のアシスタントを経て、2012年デザイン事務所「studio yumakano」を設立。江戸末期から続く川崎市内の造船所にスタジオを構え、プロダクトデザインを中心に、マテリアル開発からブランドディレクション、インテリア設計、アートワークなど実験的なアプローチを追求しさまざまなプロジェクトを行う。ミラノサローネやパリデザインウィークなど国内外で作品を発表している。おもな受賞にグッドデザイン賞、IFFTヤングデザイナーアワード、German Design Awardなど。

https://yumakano.com

2019/5/8 12:15