第235回 炭酸デザイン室 (テキスタイルデザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

昨年11月に富山県美術館で開催した「国際北陸工芸アワード」の審査員枠で推挙され、美術館の展示室で初めて炭酸デザイン室の作品を見た。作品名は、西陣織金襴「光る山」。色鮮やかで緻密、作品解説では立木観音の1200年の歴史のもとに描き上げた物語だという。なんとも言えないワイルドなテイストに、ネパールの方の作品なのかと思ったほどだ。この作品は、現在パリ装飾美術館で開催中の「ジャポニスムの150年」展に出品されている。1月中旬に訪れる予定なので、この作品と1年ぶりに再会できることを楽しみにしている。暮らしの中からインスピレーションを得て、時に時空を行き来できるテキスタイルデザイン。炭酸デザイン室さんとの出会いは新鮮な機会であった。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

炭酸デザイン室(テキスタイルデザイナー)

炭酸デザイン室(テキスタイルデザイナー)

2014年にテキスタイルデザイナーの水野智章と井野若菜によって設立。自然豊かな土地にアトリエを構え、暮らしの中からインスピレーションを受け、鮮やかな記憶としてテキスタイルを生み出している。オリジナルブランドTANSAN TEXTILEをはじめ、アートワークやフェルト作品、ラグなどを制作し独自の世界観を発表しながら、企業とのコラボレーション、メーカーへのデザイン提供など、国内外で活動の場を広げている。2017年富山県美術館、2018年パリ装飾美術館において展示。

「いつもの暮らしにシュワッとした刺激を。」

http://www.tansandesign.jp