吉村芳生 超絶技巧を超えて

《新聞と自画像2008.10.8 毎日新聞》2008年、個人蔵 《新聞と自画像2008.10.8 毎日新聞》2008年、個人蔵

1950年、山口県に生まれた吉村芳生は、版画のフィールドで内外の美術展に出品を重ね、いくつかの美術館に作品が収蔵されるなど高い評価を得たが、その評価は一部にとどまっており、決して知名度の高い作家ではなかった。1990年代以降は、山口県展や画廊での個展が中心の地道な活動を続けていた。

それが一変したのは2007年、吉村が57歳のときのことである。この年、森美術館で開催された「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展に出品された作品群が大きな話題を呼ぶ。その後、各地の美術館で作品が展示され、特に山口県立美術館で開催された個展には多くの観客が押し寄せた。遅咲きの花として快進撃を続けていた吉村は、2013年に突然亡くなってしまう。

本展は、現代アート界の異色の画家・吉村芳生の全貌を62件600点以上の作品により3部構成で紹介する。日常生活の中で目にするありふれた風景を、モノトーンのドローイングや版画で表現した初期の作品群、色鉛筆を駆使してさまざまな花を描いた後期の作品群、そして生涯を通じて描き続けた自画像の数々。膨大な時間を費やして制作された吉村の驚くべき作品群は、写実も超絶技巧も超越し、描くこと、表現することの意味を問い直す。本展は、中国・四国地方以外の美術館では初めて開催される吉村芳生の個展となる。

開催期間 2018/11/23(金)~2019/01/20(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~18:00(金は20:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(ただし、12/24、2019年1/14は開館)、12/25、12/29~2019/1/1
入場料 一般900円/高校・大学生700円/中学生以下
参加アーティスト 吉村芳生
会場
  • 東京ステーションギャラリー
  • 東京都千代田区丸の内1-9-1
会場電話番号 03-3212-2485
会場URL http://www.ejrcf.or.jp/gallery/