小沢剛 不完全-パラレルな美術史

小沢剛《不完全》2017年(展示風景:「東京藝術大学130周年記念 藝大茶会それゆえに」、東京藝術大学大石膏室) 小沢剛《不完全》2017年
(展示風景:「東京藝術大学130周年記念 藝大茶会それゆえに」、東京藝術大学大石膏室)

現代アーティスト・小沢剛は、自らの周りや美術の歴史などからさまざまな事象を拾い上げ、笑いを誘うユーモアと鋭い分析的視点を備えた作品に仕立てあげてきた。本展では、新作インスタレーションを筆頭に、小沢が日本美術史からテーマを得て制作した作品が中心に展示される。

日本人に欠かせない調味料である醤油がかつて画材として使用されていたという架空の設定のもと、過去の著名な美術作品を醤油で再現した《醤油画資料館》や、「戦争画家」として時代の流れに翻弄された藤田嗣治をモデルに、史実とフィクションが入り交じった物語をつくり出した《帰って来たペインターF》などは、まさに小沢が生み出した「パラレルな美術史」と言えるだろう。

本展タイトルとして選ばれた「不完全」とは、明治時代に活躍した美術史家であり、東京美術学校(現・東京藝術大学)の初代校長である岡倉天心の著書『茶の本』に頻出する言葉だ。「不完全」とは完全に対するネガティブな言葉ではなく、完全を目指す途上に立つ、限りなく豊かでやさしい意味をもつ。本展は小沢にとって、関東で開催される久々の大規模個展となる。この機会にぜひ、そのユニークな作品世界に触れていただきたい。

【関連イベント】
●シンポジウム「石膏像の歴史、その受容と展開」
出演:小沢剛、金井直(近現代彫刻史研究・信州大学人文学部教授)、荒木慎也(美術史家・多摩美術大学非常勤講師 ほか)
日時:2018年2月4日(日) 14:00~(13:30開場予定)
場所:11F 講堂
定員:先着150名(当日12:00より整理券配布)
※参加無料(要展覧会チケット)

●アーティストトーク
出演:小沢剛、会田誠(美術家)ほか
日時:2018年2月17日(土) 15:00~(14:30開場予定)
場所:11F 講堂
定員:先着150名(当日12:00より整理券配布)
※参加無料(要展覧会チケット)

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開催期間 2018/01/06(土)~2018/02/25(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~18:00(金・土は20:00まで/入場受付は閉館30分前まで)
休館日 2018/2/5
入場料 一般1,200円/大学生700円/小・中学生・高校生無料/障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
参加アーティスト 小沢剛
会場
  • 千葉市美術館
  • 千葉県千葉市中央区中央3-10-8
会場電話番号 043-221-2311
会場URL http://www.ccma-net.jp/
詳細URL http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2017/0106/0106.html