2015年秋季ノイタミナアニメ「すべてがFになる」ED映像。ノイタミナのオープニング/エンディング映像は、アニメ畑以外の映像作家がつくることが多く、過去には細金卓矢さんなど好きな方たちが制作していたので、自分の中での憧れはありました。
ちょっと“ナードくさい”ストーリーなので、自分も“ナードくさい”つくり方で答えようと思いました。プログラミングなどの理系っぽいモチーフが散りばめられているシリーズなので、ディティールに嘘をつきたくなかったというか、すべてのグラフィックや文字要素はそれぞれに根拠のある形で設定から考えています。
中高時代、ハッカー文化やGUI史などについて調べていた時期があります。僕はあまり要領良くコードが書けなかったので、結局プログラマーとして道は諦めたのですが、なにかそういったものへの憧憬というかワナビな感じというのを思い出しながらつくっていました。原作自体はどちらかというと閉鎖的な研究所内の話なので、オープンソースといったものとはあまり関係はありません。
ふつうに手作業でグラフィックを綺麗に配置して動かしてあげるというよりは、ちょっとしたオープンワールドみたいなつくりかたをしています。空間の物理法則やルールを設定して、あとは配置した初期条件がぶわーっと予想外のパターンを”創発”してくれるのに任せるというか。最終的なアウトプット自体をイイ感じに見えるようにこねくり回す、というよりは、ルールや初期条件の方をチューニングすることで、結果を面白い見え方に調整していったという感じです。
【スタッフクレジット】
Director/橋本麦
Animator/pai
http://www.f-noitamina.com/