編集部の「そういえば、」2023年12月

編集部の「そういえば、」2023年12月

ニュースのネタを探したり、取材に向けた打ち合わせ、企画会議など、編集部では日々いろいろな話をしていますが、なんてことない雑談やこれといって落としどころのない話というのが案外盛り上がるし、あとあとなにかの役に立ったりするんじゃないかなあと思うんです。

どうしても言いたいわけではなく、特別伝えたいわけでもない。そんな、余談以上コンテンツ未満な読み物としてお届けする、JDN編集部の「そういえば、」。デザインに関係ある話、あんまりない話、ひっくるめてどうぞ。

ショーウインドウが華やぐクリスマスの銀座

そういえば、今年もあっという間にクリスマスシーズンです。みなさんは、シーズンごとに行きたくなる街はありますか? この時期私がおすすめしたいのは、クリスマスムードを盛り上げるのにぴったりな東京・銀座です。

今年の日本空間デザイン賞「ショーウインドウ&ビジュアルデザイン空間」部門では、資生堂パーラー銀座本店の「SWEET YARN」(山本千絵子さん/資生堂クリエイティブ)がGOLD PRIZEを受賞しました。ご存じの通り、銀座には趣向を凝らした装飾が楽しいウインドウがたくさんあります。ほんの一部ですが、今回はクリスマスカラーに染まった銀座の街から2つのディスプレイをご紹介。

松屋銀座の入り口にあるウインドウディスプレイ

1つ目は、松屋銀座の店舗入口にあるこちら。「ねぶた」といえば青森県のお祭りが思い浮かびますが、ここではロケットに乗ったサンタクロースの「クリスマスねぶた」を観ることができます。ねぶたのやわらかい光と、ロケット×サンタのユニークな組み合わせが相まって、やさしく、楽しい気分にしてくれます。

銀座和光の正面ディスプレイ

続いて、和光本店の中央ショーウインドウは「炎」がテーマです。アートディレクターは和光の武蔵淳さん。ウインドウ外部のキャンドル型のオブジェを吹き消すと、ある演出が。ゆらゆらと揺れる炎が、12月の忙しない心を落ち着けてくれます(公式サイトに全景写真が載っていますので、ぜひこちらもチェック!)。

また大阪では、同じく日本空間デザイン賞「ショーウインドウ&ビジュアルデザイン空間」のBRONZE PRIZEを受賞した「MEET the WONDER CHRISTMAS」〜不思議の国のアリス〜(亀山和廣さん/阪急阪神百貨店)がクリスマスの梅田を演出しています。こちらはアリスの独特な世界観が魅力的で、とても迫力のある作品となっています。

今週末は期間限定のウインドウディスプレイを見に、街に出てみてはいかがでしょうか。
それでは、みなさまよいお年を。

(萩原あとり)

年末年始におすすめの展示3選

そういえば、あと1週間ほどで今年も終わりですね。毎年年末はゆっくり過ごそうと思いつつ、急に仕事が増えたり、プライベートで用事がバタバタ入ったりと、忙しなく過ごされる方も多いかもしれません。

今月は、行きたいと思いつつ見逃してほしくない、年末年始におすすめの展示を3つご紹介します。

■倉俣史朗のデザイン――記憶のなかの小宇宙
https://www.japandesign.ne.jp/event/kuramatashiro-setagayaartmuseum/

倉俣史朗のデザイン――記憶のなかの小宇宙

倉俣史朗《ミス・ブランチ》 1988年 富山県美術館蔵 ©Kuramata Design Office

世田谷美術館で1月28日まで開催中の企画展「倉俣史朗のデザイン――記憶のなかの小宇宙」。言わずと知れた、国内外の多くのデザイナーやアーティストに影響を与えた倉俣史郎さん。本展は、初期から晩年までの作品に加え、その制作の背景となる夢日記やスケッチも紹介され、作品のみならず倉俣史朗という人物に改めて向き合う機会になりそうです。なんと東京では20数年ぶりの個展…!年末は12月28日まで、年始は1月4日から開館ですのでお気をつけください。

■Wellness Folklore 土地の知恵から生まれた健やかな美しさ
https://www.japandesign.ne.jp/event/wellness-folklore-d47museum/

Wellness Folklore 土地の知恵から生まれた健やかな美しさ

渋谷ヒカリエ内のd47 MUSEUMで開催されているのは「Wellness Folklore 土地の知恵から生まれた健やかな美しさ」。2012年の開館以来、さまざまなテーマで47都道府県の個性を紹介している本ミュージアムですが、今回は「健やかな美しさ」をテーマに、日本各地の文化や風習、言い伝えなどを背景に持つケアアイテムを紹介しています。

「年末年始に久しぶりに会う家族や友達にプレゼントしようかな…」なんて、その人のことを考えながらも巡れて穏やかでほくほくした気持ちになれる展示です。年末年始の休館は1月1日~2日のみなので贈り物探しにいかがでしょうか?

■フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築
https://www.japandesign.ne.jp/event/frank-lloyd-wright-panasoni/

フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築

フランク・ロイド・ライト《大バグダッド計画案 鳥瞰透視図》 1957年 コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館 フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴズ蔵 © The Frank Lloyd Wright Foundation Archives (The Museum of Modern Art | Avery Architectural & Fine Arts Library, Columbia University, New York)

アメリカ近代建築の巨匠であるフランク・ロイド・ライトの展覧会が、東京・汐留のパナソニック汐留美術館で1月11日から開催。ニューヨークの「グッゲンハイム美術館」などで知られる、近代建築の三大巨匠の一人です。「帝国ホテル二代目本館(現在は博物館明治村に一部移築保存)」や「自由学園」を手がけたり、熱烈な浮世絵愛好家の顔も持っていたりと、日本と深い縁で結ばれた建築家でもあります。

同展では、日米共同でキュレーションをおこない、帝国ホテルを基軸に、多様な文化と交流し常に先駆的な活動を展開したライトの姿を明らかにしています。

年末年始の楽しみのひとつとして、3展ご紹介しましたが、イベントコーナーではさらに多くご紹介しています。展覧会巡り、ぜひ検討してみてください。

(石田織座)