JDN編集部の「そういえば、」2019年8月

JDN編集部の「そういえば、」2019年8月

ニュースのネタを探したり、取材に向けた打ち合わせ、企画会議など、編集部では日々いろいろな話をしていますが、なんてことない雑談やこれといって落としどころのない話というのが案外盛り上がるし、あとあとなにかの役に立ったりするんじゃないかなあと思うんです。

どうしても言いたいわけではなく、特別伝えたいわけでもない。そんな、余談以上コンテンツ未満な読み物としてお届けする、JDN編集部の「そういえば、」。デザインに関係ある話、あんまりない話、ひっくるめてどうぞ。

Netflix『アート・オブ・デザイン』

そういえば、Netflixのドキュメンタリー『アート・オブ・デザイン』をこの前の週末に観終わりました。このドキュメンタリーは、各エピソードごとにひとりのデザイナーが登場し、それぞれの仕事や経歴、パーソナリティについて紹介していくというもの。

さまざまな領域のレジェンドたるデザイナーが登場するのがこのドキュメンタリーの見どころですが、デザインを語る上で多用されるさまざまな視覚効果やアニメーションも、このドキュメンタリーを構成する大きな要素のひとつになっています。各デザイナーの作品のトーンに合わせた映像的な演出が施されているのですが、観ながら「デザインを語るって、どういうことだろう」と、ついつい考え込んでしまいました。

デザインを語る上で、それがどのような考え方のもとにつくられ、どういったプロセスを経てかたちになったのか。そして、なぜそれが「よい」デザインであるのか。それぞれをことばにしていく過程は、ともすれば、わざわざ漫才の“オチ”のおもしろさを説明するような、不粋なことになってしまわないだろうか。この仕事に携わるようになって、そんなことを考えるようになりました。

そんな中、『アート・オブ・デザイン』のようなデザインについてのドキュメンタリーを観ていると、当たり前のようですが、テキストと映像の、情報の伝え方の違いについて気付かされます。映像では、カメラの位置ひとつで意図や効果が生まれ、そこにさまざまな視覚的な表現や編集が加わることで、いくつものアプローチで情報を伝えることができる。

一方で、いま書いているようなテキストベースの記事ができることといえば、タイトルや見出し、本文におけることばの選択と、それらをどうまとめていくのかという編集的視点。実にシンプル。そう考えると、なんだか背筋が伸びてきました。『アート・オブ・デザイン』の本編についてほとんどなにも書いてないも同然ですが(おすすめです)、そんなことを考えた週末でした。

(堀合俊博)

cinecaの「いぬ」

そういえば、1か月くらい前にやっと、イベントで購入したcinecaのお菓子「いぬ」を食しました。

cineca いぬ

パッケージも潔い&シンプルさが魅力的

見てください、この見た目。

購入する時も可愛すぎて震えましたが、冷蔵庫を開けるたびに目が合い(想像で補完)、癒されていました。素敵なお菓子に特有の“可愛すぎて食べられない…!”という悩みを抱え、賞味期限ぎりっぎりでやっと胃袋へ。

cinecaは土谷みおさんによる映画を題材に物語性のあるお菓子をつくるブランドで、この「いぬ」は犬のお菓子を依頼されたことから誕生したメレンゲのお菓子。土谷さんは、映画『ジョンとメリー』に出てきた犬がモップ犬と呼ばれるコモンドールだったことを思い出し、毛の感じをメレンゲで表現できるかもしれない…!と思いついたことが始まりだそうです。

ひとつひとつ手づくりのため、「いぬ」の表情は一匹ずつちがっていて、購入する際に迷いました…。展示会などで販売するとすぐに売り切れてしまうそうで、また遭遇したときは必ず家に連れて帰りたいなと思います。犬好きは要チェックです!

※販売は、全国のギャラリーやショップで不定期で販売。販売時期はSNSやホームページで告知

【関連記事】
https://www.japandesign.ne.jp/products/2019/08/48331/

(石田織座)

Tiny Desk Concerts

そういえば、とちょくちょくチェックするのが、「NPR Music Tiny Desk Concerts」(以下、Tiny Desk Concerts)です。「Tiny Desk Concerts」は、アメリカの公共ラジオ放送NPR(National Public Radio)の音楽部門の事務所の一角、まさにTinyなDeskをステージに(?)コンサートをするというものです。音楽ファンにとってはすでにおなじみの存在ですね。

これまでに、グラミー賞受賞者や話題の新人など、ゆうに300組を超えるミュージシャンが参加しています。あくまで事務所でのライブ演奏なので、凝った音響装置や映像による演出などはなく、ごくごくシンプルにアンプラグドな楽器を用いて演奏します。基本的にお客さんはどうやらNRPのスタッフのみのようで、この役得感たるや半端じゃないなーと羨ましく思いながら鑑賞してます。

いくつか個人的なお気に入りを。

Phony Ppl

メンバーそれぞれにテーマカラーでもあんのか……?と思うような、独特のファッションセンスがゼツい!昨年10月に発売された「mōʼzā-ik.」はいまだに愛聴盤です。

The Midnight Hour

A Tribe Called QuestのAli Shaheed MuhammadとAdrian Youngeによる「The Midnight Hour」。スーツでキメたAliのイイ顔を見たら、90年代に青春を過ごしたB-BOY諸氏はニヤニヤせずにいられないと思うんですよね!

Jorja Smith

英・ウォルソール出身のJorja Smithさん、ただただマブいっす!

Sesame Street

これはもう反則(笑)!いいにきまってる!以上!

ほとんどの動画がだいたい15分もないくらいのコンパクトさというのもいいなあと。ほどほどのボリューム感だからこそ、後でちゃんとそのミュージシャンを深堀りしてみたくなる、極めて優れたショーケースだと思います。

(瀬尾陽)

タイトル画像:松原光