味わいたい

心を動かす色使いや味、デザインで私たちを魅了するお菓子

a piece of

「言葉」を「石」に例えたラムネ菓子

a piece of
土谷みおさんによるお菓子のブランド「cineca(チネカ)」は、映画を題材に物語性のあるお菓子をつくっています。小さな氷山や彩り鮮やかなパレット、秋を感じる小枝など、一見するとお菓子に見えないプロダクトからは背景に込められたストーリーが浮かんでくるよう。はじめて目にしたときには、「こんなお菓子があるんだ…!」という衝撃が走りました。今回はきれいな石ころのようなお菓子「a piece of」について、土谷さんにお話を聞きました。

■製品が生まれた背景・コンセプト

このお菓子は、交通事故が原因で片目以外が動かず、話すこともできなくなった男性を描く映画『潜水服は蝶の夢を見る』から着想を得ています。編集者として言葉に関わる仕事に携わっていた主人公が言葉を話せなくなったとき、言葉の意味や強さや響きにも大きな変化が生まれたことが印象的でした。

その、状況によって感じ方が変わる「言葉」をこの映画のテーマと捉え、その「言葉」を、環境によって岩から小石、砂へと姿を変える「石」に例え、ラムネのお菓子に落とし込みました。

a piece of

本物の石のような色合いや形をしていて、思わず手に取りたくなります

■特徴

お菓子の味は、sea(海)はローズマリー、river(川)は桜、mountain(山)はジンジャーの味という3種類。石の在るそれぞれの場所をイメージした味と色と形でつくっています。

パッケージは、お菓子をできるかぎり邪魔することなくシンプルに見せることを心がけました。箱の上面のマークは、心や頭に刻まれる言葉の強さを表現するものとして「空押し」技法を使っています。上から順に海、川、山。その場所を語る形をそれぞれ一本線で表現しました。

a piece of

パッケージに押された一本線は、上から「海」「川」「山」を表現。順に、「a piece of sea」「a piece of river」「a piece of mountain」と読みます

a piece of

cineca(チネカ)
映画を題材に、目と心と頭で愉しむ物語性のある菓子を創案、制作する菓子ブランド。食の持つ、人と人をつなぐ力、世界を小さくする力を信じて、モノの新しい価値や見方の模索、提案を続けている。Webサイト:http://cineca.si/
Instagram:https://www.instagram.com/cineca/

※販売は、全国のギャラリーやショップで不定期で販売。販売時期はSNSやホームページで告知

a piece of-時間を溶かす静かのラムネ-

サイズ(箱) 約50×100×18mm
素材 ラムネ菓子
価格(税抜) 1,100円