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和ごころを伝えるデザイン

今、求められる!「新しい和のデザイン」のアイデア集

和ごころを伝えるデザイン

2020年の東京オリンピック開催に向けて、ジャパン・テイストの広告物やグラフィック制作物の需要が増えると予想されます。様々なかたちで和風のデザインを表現している作品を手法別に掲載し、細やかな和ごころをつたえるポイントに焦点をあて紹介していきます。

【モチーフ / パターン】
富士山や日の丸などの日本を彷佛とさせるモチーフ、四季を表現したもの、吉祥紋様や着物柄をあしらったものなど、和の伝統的なモチーフやパターンで表現したデザイン。

【フォトグラフィー】
人々を惹き付ける美しい日本の名風景、興味を引くためのクローズアップ写真、空気感を表現するために静的な写真を使う……など、手法はさまざま。

【タイポグラフィー&ロゴ】
日本古来のひらがな、カタカナ、漢字といった文字や和風テイストのロゴマークをあしらうデザイン。縦書きや横書き、筆文字などのフォントに注力し表現することで日本らしさをアピールできる。

【カラーリング】
和の伝統色を効果的にあしらったものや四季を彩る配色など、和のイメージを出しやすい手法。かさね色をうまく表現したり、時には鮮やかな色を合わせることでモダンな和を演出できる。

【イラストレーション】
浮世絵や錦絵の雰囲気を漂わせたり、有名な日本画の作品を用いることで、日本らしさをイメージさせることができる。他にも親しみやすさや情緒的な印象を与えたりなど、画材や手法を選ぶことができて表現の幅が広い。

【ニュー・ジャポニズム】
商品や対象がもつ伝統的なイメージを継承しつつ、あえて和を意識せずに新しさを感じるデザインに。若い世代にも伝えたい、海外の方にも届けたいなどの思いを、和の魅力が新鮮に見えるように、シンプルで親しみやすさを込めた。

及川さえ子(パイ インターナショナル)おすすめコメント

この本を制作するために、広く作品を集めることになりました。集めていくにつれ、日本人の心の機微やわびさび、凛とした美しさ、雅な世界観などをうまく表現しているもの、これからの新しい日本を伝えていくために工夫されているもの、伝統芸能に馴染みの薄い若年層に向けた告知ツール、日本が誇る伝統食の新たな魅力を訴求させるために作られたポスターやパッケージなど、手法やスタイルにこだわった秀逸な作品が多く見られました。


特に最近は、商品や対象がもつ伝統的なイメージを継承しつつ、あえて和を意識せずに新しさを感じるデザインのものが多くなったと感じます。若い世代にも伝えたい、海外の方にも届けたいなどの思いを、和の魅力が新鮮に見えるように、シンプルで親しみやすさを込めて表現しているものが目に留まります。


このように丁寧に作品を見ていくと、元々、企画段階から編集コンセプトとして掲げていた「手法別」のカテゴリー分けがコンパクトになり、見応えのある1冊に仕上がりました。仕事を請け負ったときのクライアントからのリクエスト、新規顧客の開拓を目的としたブランディング、限られた予算など、さまざまな条件をクリアして世に生み出されたグラフィック作品をご覧ください。


発行 パイ インターナショナル
ライター 風日舎(梅村知代、村井清美)
編集 及川さえ子
木下マリアン
デザイン カバー:三木健デザイン事務所、AD:松村大輔、デザイナー:佐藤美穂、写真:藤本邦治
仕様 B5判変型(255×190mm)、ソフトカバー、224ページ
価格(税抜) 978-4-7562-4731-5