
2022/10/11 15:40
弘前れんが倉庫美術館は、パリを拠点に国際的に活躍する建築家の田根剛氏が、日本国内で初めて設計を手がけた美術館です。本書では、田根氏が取り組む「記憶を継承する建築」はどのようにおこなわれたのか、その全貌を明らかにします。
弘前の歴史、煉瓦倉庫の変遷、考古学的なリサーチから導き出された建築のコンセプト、既存の建物を解体・分析して修復する壮絶な現場の記録を掲載。そして完成後の美術館と弘前の風景までを紹介します。また、プログラムの構成や空間の使い方など、弘前から世界へと発信する美術館運営の新たな取り組みにも迫ります。
日本の古き良き風景が失われるなか、未来へつなぐ建築とはどのようなものなのか、煉瓦倉庫の再生を追った美術館の軌跡です。
高橋かおる(編集者)おすすめコメント
この本では、完成した建築だけではなく、通常見ることができない思考のプロセスや建築の現場なども紹介しています。「建築は、街の文化であり未来でもある」と語る田根さんの、建築に込めた思いをご覧いただけます。
本書のもう一つの見どころは、改修前と完成後の写真です。長い間使われていなかった改修前の煉瓦倉庫を、畠山直哉氏の緊張感漂う写真で紹介しています。開館後の弘前の人々が行き交う美術館の風景を、木寺紀雄氏が撮下ろしました。
この本を片手に、美術館に足を運んでいただけたら嬉しいです。
発行 | 株式会社パイ インターナショナル |
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著者 | 田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)+ 弘前れんが倉庫美術館 |
アートディレクション | 色部義昭 |
デザイン | 本多万智 |
写真 | 畠山直哉(P1~37)、木寺紀雄(カバー・P186~253) |
編集 | 高橋かおる |
仕様 | B5判変型、256ページ(フルカラー) |
価格(税込) | 3,960円 |
ISBN | 978-4-7562-5410-8 C3052 |