美郷町PRページ「みさとと。」

“町民自身”が惚れ直す、町の姿を表現した自治体PRページ

Webサイト公開直後に「自治体らしからぬサイト」としてtwitterで話題となり、広く拡散された、島根県美郷町PRページ「みさとと。」。動き方や視点の変わり方の気持ちよさに、思わずスクロールしてしまうサイトを手がけたのは、デジタル領域を中心としたクリエイティブエージェンシーのSHIFTBRAIN inc.です。

「みさとと。」の企画からディレクション、制作まで中心となって進めた、SHIFTBRAIN inc.の山本真也さんに、大事にしたコンセプトや手法などについてお聞きしました。

■プロジェクトの背景・課題

島根県美郷町は人口4,600人ほどの小さな町です。過疎や高齢化が進み、2018年には町内唯一の鉄道が廃線となってしまった地域ですが、同年に就任した町長のリーダーシップのもと、関係人口増加を目的とした町外への情報発信に注力しています。

その一環として「世界一の自治体ホームページを」とご依頼いただき、このプロジェクトがスタートしました。

■コンセプト

行政主導で住民の共感が得られない地方創生事業が多い中、このプロジェクトで大切にしたのは、誰よりもまず“町民自身”が惚れ直してしまうような美郷町の姿を表現すること。

「みさとと。」Webサイト

「みさとと。」Webサイト

「みさとと。」Webサイト

「みさとと。」Webサイト

町民ひとりひとりが心から語りたくなる言葉を持ってこそ、町外への発信にも本当の価値が生まれると考えました。表現上のコンセプトは「誇張せず、自虐もせず、ユニークに」です。

■手法・特徴

あらゆる展開の中心にあったのは、テキスト(記事)、写真、イラストといったコンテンツです。それらが目指したのは、「町民は身近すぎて気づいていないけど、外から見れば面白いもの」を発見することと、それを圧倒的なクオリティに磨き上げることでした。前者は、時間をかけて徹底的に取材することで実現しました。

つくり上げたコンテンツは、Webサイト、町内全戸配布のタブロイド、写真展、役場職員の名刺といったさまざまなアウトプットへと展開しました。また、コンテンツはすべて、町民が営利非営利を問わず自由に活用できるアセットとして無償公開し、役場や町民自身の手によってさまざまな広がりを見せています。

「みさとと。」タブロイド

「みさとと。」タブロイド

「みさとと。」タブロイド

「みさとと。」タブロイド

「みさとと。」写真展の様子

「みさとと。」写真展の様子

Webサイトは現在もなお、公開前とくらべて非常に高いアクセスを呼び込んでいます。また、町内の全戸に配布したタブロイドが小学校で感想文の題材になったりと、「町民の小さな誇り」として少しずつ、しかし着実に根付き始めていると感じます。

スタッフ

クリエイティブディレクター・コピーライター:山本真也(SHIFTBRAIN inc.)
プロデューサー・プロジェクトマネージャー:津留正和(SHIFTBRAIN inc.)
アートディレクター:藤吉匡(SHIFTBRAIN inc.)
デザイナー:及川昇、羅明(SHIFTBRAIN inc.)
モーションデザイナー:西山順一(SHIFTBRAIN inc.)
テクニカルディレクター:鈴木丈(SHIFTBRAIN inc.)
フロントエンドディベロッパー:安田祐平(SHIFTBRAIN inc.)
バックエンドディベロッパー:安友裕秋(SHIFTBRAIN inc.)
取材・執筆・撮影:HEAPS
撮影:西部裕介
イラスト:Studio Tipi