鬼とアートが待っている島「女木島」。絶景とゆったりした時間

鬼とアートが待っている島「女木島」。絶景とゆったりした時間

2010年にはじまった「瀬戸内国際芸術祭」。トリエンナーレ形式で3年ごとに開催され、今年で3回目となります。初・瀬戸内海&瀬戸内国際芸術祭の筆者がひとりで行ってきたのは雌雄島(しゆうじま)とよばれるふたつの島、「女木島(めぎじま)」と「男木島(おぎじま)」。このレポートでは女木島のおすすめ作品と雰囲気を余すところなくお伝えします!

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女木島

高松港からフェリーに乗っておよそ20分。鬼ヶ島の舞台とも言われている「女木島」があります。島のところどころには鬼の像があったり、山の中腹には鬼がいると言われている洞窟があります。

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島の様子を見守っているような鬼の像

鬼ヶ島で会える、アート作品たち

女木島には全部で13のアート作品が点在しています。今回はその中から、特に写真に収めたくなったものを紹介します。

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カモメの駐車場(木村崇人):フェリーが島に近づいていくと真っ先に見えてくる作品。防波堤に約300羽のカモメが並んでおり、風が吹くとみんな同じ方向を向く。風の流れとカモメの群れの習性を視覚化した作品です

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20世紀の回想(禿鷹墳上):鉄でできたグランドピアノの上に、4本の帆が立っているインスタレーション作品。帆は大航海時代を象徴しているそう。ピアノからは音楽が流れ、海や風の音に呼応しながら音を奏でていて、ノスタルジックな気持ちになりました

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女根 / めこん(大竹伸朗):休校中の女木小学校の中庭で展開する作品。女木島の“女”と、生命力の象徴としての”根っこ”を合わせた意味がタイトルに含まれています。蛍光の緑と赤がサイケデリックな印象の作品は、会期を追うごとに少しずつエリアが拡大され、今回は校舎入口周辺にも大竹伸朗さんならではの色使いや雰囲気が拡張されています

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女根 / めこん(大竹伸朗):作品のシンボルともなっている、ブイの上にそびえ立つヤシの木

現在は使われていない倉庫を利用し、シアター仕立ての絵画と、映像によるインスタレーション

ISLAND THEATRE MEGI 「女木島名画座」(依田洋一朗):現在は使われていない倉庫を利用した、シアター仕立ての絵画と映像によるインスタレーション作品

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ISLAND THEATRE MEGI 「女木島名画座」(依田洋一朗):2階は本当の映画館のようになっていて、映像がずっと流れているのでゆっくりと見ていくのもおすすめ

鬼がいる洞窟と、360度ぐるりと瀬戸内海を見渡せる展望台

女木島でいちばん有名な「鬼ヶ島大洞窟」。島の中心部とは少し離れた位置にあるため、ここだけはバスで行くことをおすすめします。案内所から洞窟までは10分ほど。一人で入るのは少し勇気がいりますが、女木島に来たらぜひ寄ってみてほしい場所。また、鬼ヶ島洞窟から5分ほどの、鷲ヶ峰山頂にある展望台も行くべきポイントのひとつです!

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鬼ヶ島大洞窟:洞窟の入り口でも、鬼が出迎えてくれました。中に作品もありますが、何があるかは入ってからのお楽しみです…。ちなみに洞窟まではバスが定期的に出ています

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オニノコ 瓦プロジェクト(オニノコプロダクション):香川県の伝統工芸のひとつ、鬼瓦を同県の中学生約3,000人が作ったプロジェクト。洞窟の中だけでなく、外にもたくさん飾られていました

鬼ヶ島洞窟から少し登った、標高188mの鷲ヶ峰山頂に展望台はあります。頂上まで行くと360度の瀬戸内海が見渡すことができ、まさに絶景でした

鬼ヶ島洞窟から少し登った、標高188mの鷲ヶ峰山頂に展望台はあります。頂上まで行くと360度の瀬戸内海が見渡すことができ、まさに絶景でした

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展望近くにあった、桃太郎の顔ハメ用パネル

女木島であじわいたい“食”

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島にある食堂、その名も「鬼の台所」で食べた、ぶっかけうどんとタコ飯。レモンがのっていたところに、瀬戸内を感じました

女木島は徒歩で充分回れる距離なので、ゆったりとした時間を楽しみたい方におすすめです。今回の取材では女性1人で来ていた方が多い印象があります。少し不安…という人も安心して旅できる規模で、アート作品だけでなく島の人たちとの交流も楽しめます!また、春には桜の名所として知られている女木島。春夏秋とちがった景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。

■瀬戸内国際芸術祭
http://setouchi-artfest.jp/

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