坂道の先には、自然に寄り添うアートと美味しい食べものが待つ「男木島」

坂道の先には、自然に寄り添うアートと美味しい食べものが待つ「男木島」

2010年にはじまった「瀬戸内国際芸術祭」。トリエンナーレ形式で3年ごとに開催され、今年で3回目となります。初・瀬戸内海&瀬戸内国際芸術祭の筆者がひとりで行ってきたのは雌雄島(しゆうじま)とよばれるふたつの島、「女木島(めぎじま)」と「男木島(おぎじま)」。このレポートでは男木島のおすすめ作品と雰囲気を余すところなくお伝えします!

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男木島

高松港からフェリーに乗って40分。有名な石造りの灯台で知られている「男木島」。坂道と狭い路地が多いため、作品が多くある中心部は徒歩をおすすめしますが、灯台に行きたいという人は案内所でのレンタサイクルが便利です。

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坂が多いというと敬遠しがちですが、それゆえ絶景を見ることもできるのです!

男木島で会う、島の魅力を引き立たせるアート作品

男木島にある作品は、もともとの豊かな自然にそっと寄り添うようなものが多い印象でした。景色の一部のようになった作品を少し紹介します。

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男木島の魂(ジャウメ・プレンサ):男木島の案内所にもなっている作品。世界8か国の言葉をつないで模様のようになった屋根は、落とす影もとてもきれい

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男木島 路地壁画プロジェクト wallalley(眞壁陸二):「wallalley」とは「wall(壁)」と「alley(路地)」を組み合わせた造語。風景のシルエットをカラフルに描き、民家の外壁に設置したプロジェクトです

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オルガン(谷口智子):島の路地に望遠鏡などを組み込んだパイプを配管した、体験型作品。穴の開いた管に向かって叫ぶと、つながっている先に声が聞こえたり、レバーを上下させるとオルガンのような音が鳴ります

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オルガン(谷口智子):子どもたちがオルガンのような音が鳴るのを、不思議そうに楽しんでいました

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記憶のボトル(栗真由美):蔵の中にたくさんのガラス瓶が吊るされた作品。瓶の中には、島の人たちから集めた、それぞれの思い出が詰まっているそうです

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部屋の中の部屋(大岩オスカール/Photo:Yasushi-Ishikawa):部屋の中に90度回転した部屋が出現!最大級の違和感を体験できる、おもしろい作品。一人では少し違和感を伝えずらかったので、ぜひ2人以上で行って記念写真を撮ってみてください

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歩く方舟(山口啓介):ノアの方舟のエピソードに想を得た立体作品を、海の近くに置いた作品。遠くから見ると、山のひとつにも見えます。作品近くの岩には作者からのメッセージも書いてあるので、お見逃しなく!

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Lighthouse Keeper(イム・ミヌク):もともと灯台守をやっていた方が住んでいた家を使った作品。複数の小さな灯台がひとつずつ光っていき、最終的には全貌が見えます。有名な灯台のある男木島に寄り添った作品

男木島の夏を彩る、甘いもの

男木島にはカフェが5~6軒あります。それぞれ地元の素材を使った料理やデザートなど、景色と一緒に楽しめます!

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「ドリームカフェ」で注文した、レモンミルク味のかき氷。ふわふわの食感の氷にやみつきです

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「漆の家カフェ」で頼んだ、ミカンジュース(お菓子つき!)。ジュースとお菓子の器はもちろん漆が施されていました

男木島は入り組んだ路地が多く、行ってみるとここにも作品があった!と、冒険感覚がある島でした。ただ、地図がわからなくても、坂を下っていけば港に着くという地形なので、迷うことはないのでご心配なく!また、貝がら拾いや海に触れられる砂浜が多いなという印象でした。アート作品だけでなく、豊かな自然にもぜひ触れてみてください。

石田織座(JDN/デザインのお仕事)

■瀬戸内国際芸術祭
http://setouchi-artfest.jp/