1年で街がもっともきらめく季節といえば、クリスマスといっても過言ではありません。そんな光り輝く世界をつくり上げているのは、オーナメントやイルミネーション、ツリーなど色とりどりの装飾です。

毎年ドイツのフランクフルトで行われる「Christmasworld（クリスマスワールド）」は、クリスマスに関連する商品を中心に、シーズナルデコレーションとフェスティバルデコレーションを扱う国際見本市。なんと毎年クリスマスが終わったわずか1か月後には、新たなクリスマスに向けた準備が進んでいるのです。次回は2017年1月27日から4日間開催され、世界中からクリスマスを影で支える出展者やバイヤーが集まります。この記事ではその見本市の魅力についてお伝えします。

前回の会場の様子

約4万人がおとずれる国際見本市。出展者数は953社にのぼる

フランクフルト市内の中央に位置する会場のメッセ・フランクフルトは、ヨーロッパの中でも2番目に大きい展示会場。その展示面積をわかりやすく言うと、ビッグサイトの約8倍の広さとなります。前回は45か国から953の企業や団体が集まり、最新の製品が披露されました。ドイツ国内からは203社、他国からは750社が出展。来場者数は115か国・地域から39,398人（うち15,837人がドイツ国内、23,561人が他国から）でした。毎年、インテリアショップのバイヤーや卸売り業者、地方自治体やホテル、ショーウィンドウデザイナーなどさまざまな職種の人たちが足を運び、来場者数は年々増加しています。

ディスプレイのヒントが満載、注目したい3つの見どころ

今年の見どころは大きく3つ。1つめは、ドイツのデザインスタジオ「ボラ・ヘルケ・パルミザーノ」監修のトレンドプレゼンテーション。出展者の製品を使用した展示は、クリスマスワールドの製品インデックスとしての機能も備えています。

2つめは、オランダのデザインスタジオ「2Dezign」による特別展示「Surprise Surprise」。店舗やウィンドウディスプレイのヒントが満載のプレゼンテーションです。出展製品や生花・グリーンを使用して構成される驚きに満ちたディスプレイは必見です。

前回の「2Dezign」監修、特別展示会場の様子

3つめは、生花とグリーンの専門見本市「Floradecora（フローラデコラ）」が新たに同時開催すること。装飾性の高い新鮮な生花やグリーンをその場で発注することができます。

前回の会場の様子

「Floradecora」会場イメージスケッチ

ものづくりの背景や商品の世界観をしっかり見せる見本市

毎年フランクフルトで開催されている見本市ですが、買い付けに来場する日本人は少なくありません。2002年から毎年クリスマスワールドで買い付けをしているという、インテリアショップ「LIVING MOTIF」でマーチャンダイジングを担当している石垣智子さん。クリスマスワールドを訪れ続けている決め手は、日本で見つけることが難しい、上質なクリスマス商材を探せるからだそうです。

石垣智子（いしがき・ともこ）：LIVING MOTIF マーチャンダイザー。テーブルウェア、キッチンウェアのバイイングを担当。パリやドイツで開催される見本市開催に足を運び、トレンドの研鑽を積む。

石垣：クリスマスワールドは、日本で開催される見本市にくらべ、ひとつひとつのブースが大きく、しっかり世界観をつくって見せているところが多い印象です。私はおもにオーナメントなどを探しに行くのですが、商談スペースをしっかりと設けているメーカーさんも多く、その場での買い付けがしやすい環境でした。また、ものづくりの背景をきちんと見せ、ドイツ製にこだわってきちんとつくられているオーナメント類を打ち出しているメーカーが多いなと感じました。

近年では東欧や北欧を含むヨーロッパ全域、ロシアやアメリカ、アジアからの出展があり、地域を問わず関心を集めています。年々来場者数を増やし、クリスマスのトレンドをつくるこの見本市は、次回も数多くのバイヤーやデザイナーでにぎわいそうです。

ふだん何気なく街で見かけるイルミネーションや飾りは、毎年「クリスマスワールド」から発信されているものかもしれません。クリスマスをよりいっそう楽しく、盛り上げてくれる見本市です。