雨の日でも心おどるような傘がきっと見つかる、「鈴木マサルのテキスタイル 傘とラグとタオルと」

雨の日でも心おどるような傘がきっと見つかる、「鈴木マサルのテキスタイル 傘とラグとタオルと」

六本木駅から少し離れた閑静な住宅街にある、デザインギャラリー「ル・ベイン」で開催中の「鈴木マサルのテキスタイル 傘とラグとタオルと」は、「傘ってこんなにも楽しいものだったのか!」と新鮮な驚きを与えてくれる。「ル・ベイン」の吹き抜けのスペースから吊るされた105本の傘。鮮やかで奥行きのある色彩、ユーモア溢れるモチーフ、そして意表を突くダイナミックな構図、これらをデザインしたのは、言うまでもなくテキスタイルデザイナー・鈴木マサル氏だ。これまで、自身のオリジナルブランド「OTTAIPNU(オッタイピイヌ)」をはじめ、マリメッコ、ラプアンカンクリ、ムーミントリビュートワークスなど、国内外のテキスタイルブランドのデザインを手がけてきた。

鈴木マサル氏

鈴木マサル氏

展示会入り口

展示会入り口

見ているだけで心がおどるよう傘をつくり続けて今年で5年目。傘をデザインしはじめたきっかけは意外にも「依頼されたから(笑)」だという。「でも、つくるからには長く続けたかった。タオルは今年で10年目、傘は今年で5年目。初年度で終わらせていたら、ただ傘をつくったというだけにしかならなかった。長く愛してもらえるものをつくりたいし、ムーブメントとまではいわないけど、だいぶ色々な方に届くようになってきたと思っています」と語ってくれた。

鈴木マサル氏に、展示されている傘についてもう少し詳しく伺ってみた。

「色違いの柄はベースとなっているものがあります。最初につくるものは、この花ならこの色、この動物はこの色、といったようにデザインしていくのでまとまりは良いです。それに対して色違いのものは、柄として完成したものの配色を変えていくので、自由度が高くて面白いものができることが多いです」。同じ柄でも何がモチーフかわかりやすいものと、一見すると抽象的なものがあるのは、そういう理由で印象の違いがあるのかと納得した。

展示会の様子

展示会の様子

日傘の柄はプリントではなく刺繍で施され、とても丁寧に丹念につくられている。「実際に刺繍をする職人さんのイメージがわきやすいように、下絵の線を刺繍風に描いています。腱鞘炎になりそうなくらい大変なんです(笑)」と苦笑しながら制作方法についても教えてくれた。

展示会の様子

展示会の様子

展示会の様子

展示会の様子

展示会の様子

展示会の様子

いわゆる、流行に左右されずに長く使える「ロングライフデザイン」のアイテムではないと思うが、「愛着」を持って長く使えるものであることは間違いないと思う。雨や日差しが強い日でも気分が上がるような傘はもちろん会場で販売中。「ちょっと派手かな?と思うぐらいのものを是非使って欲しい」とのこと。傘の話に終始してしまったが、暮らしに彩りを加えるラグ、所有欲をくすぐるタオルも展示販売されている。会期は5月24日(日)まで。

展示会の様子

展示会の様子

展示会の様子

展示会の様子

鈴木マサルのテキスタイル 傘とラグとタオルと