長崎県諫早市のモノづくり企業・株式会社日本ベネックスが、同じく諫早市出身のプロダクトデザイナーである清水久和さんとコラボレーションして誕生した、板金のスツール&サイドテーブル「SUITE FURNITURE(スイートファニチャー)」。
これまで、板金加工を基盤にさまざまな産業機器を製造してきた日本ベネックス。新しく誕生した「SUITE FURNITURE」のデザインの特徴などについて伺いました。
■背景
1957年の創業以来、板金加工を基盤とし、社会のインフラを支える製品を製造してきた日本ベネックス。2021年に、これまで培った精密板金加工技術をベースにデザイナーとコラボレーションし、板金の可能性をさらに追求する「EETAL(イータル)」プロジェクトを立ち上げました。
同プロジェクトの最初の取り組みとして、プロダクトデザイナーの清水久和さん(S&O DESIGN株式会社)と、板金のスツール&サイドテーブル「SUITE FURNITURE」を製作。清水さんにとっては初の地元企業とのコラボレーションとなりました。
SUITE FURNITUREは、無機的な鉄という素材をデザインの力で有機的であたたかいものに変換し、これまでの板金加工の常識を覆す新たな試みでつくり上げたプロダクト。鉄でありながら、そばに寄り添うような存在の、使う人にひと時の安らぎを与えてくれるような製品を目指しています。
■特徴
「SUITE STOOL」は、金属ということを感じさせない優しい曲線とシャープな直線が融合されたスツールです。脚を踏ん張った動物のような、どこかかわいらしさのあるフォルムは、厚さわずか2㎜のスチール板2枚のみで構成されています。スチール表面に施したマットな塗装は、ざらざらとした質感が心地いい手触り感を与えるとともに、微細な凹凸が傷やほこりを目立ちにくくしてくれます。
「SUITE TABLE」は薄いスチールの天板と土台、楕円の支柱で構成された、これまでにないフォルムのサイドテーブルです。さまざまな家のインテリアに馴染むよう、極限まで無駄を省いたデザインで、支柱を楕円形にしたことで優しい印象を与えます。
■デザイナー清水久和さん(S&O DESIGN株式会社)のコメント
スツールとサイドテーブルは家庭の中で使われるもの。鉄の冷たくて硬くて、重い印象を覆さなければ受け入れられないと思いました。デザインの力で有機的にあたたかく、優しい製品にすることができないかと何度も何度も試行錯誤し、導いたデザインです。
■担当者・木下さん(株式会社日本ベネックス 社長室)のコメント
板金という素材に着目し、新たな可能性を探る中で、鉄のマイナスなイメージを覆すべくデザインされたスツールとサイドテーブルです。シャープな直線と穏やかな曲線の絶妙なバランスを体現した、清水久和さんのデザインに舌を巻きました。工場にある設備だけを使い、その中で創意工夫をしてつくり上げましたが、これまでの常識では考えられないつくり方で我々としても新たな発見がありました。
ブランド:EETAL(イータル)
「EETAL」が追求していくのは、“新たな板金の可能性”です。これまで培ってきた精密板金加工のものづくりの道にこそ、未知を見出してみたい。そんな想いを持った職人と、斬新な発想、アイディアを持つクリエイターの融合。何のためのどんなものになっていくのか…まだ誰も知らない板金のカタチを表現するプロジェクトです。
「EETAL」のネーミングの由来は、「SHEET METAL(板金)」のSHEETの「EET」、METALの「TAL」を合わせた造語で、板金の”新たなカタチ”を表現しています。
SUITE STOOL
サイズ | W375×D310×H360mm |
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カラー | ブラック、クリームホワイト、グリーン、レモンイエロー |
素材 | スチール |
重量 | 約3.6kg |
価格(税込) | 29,800円 |
SUITE TABLE
サイズ | W375×D310×H360mm |
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カラー | グレー、クリームホワイト |
素材 | スチール |
重量 | 約10.5kg |
価格(税込) | 49,800円 |