安藤忠雄が設計した新美術館が、2025年春に香川県・直島にオープン

直島新美術館 ©Tadao Ando

香川県直島に、「直島新美術館(仮称)」が2025年春に開館する。建築を担当したのは、30年以上にわたり直島の数々の建物を手がけてきた安藤忠雄。これまでに、ベネッセハウス ミュージアム(1992年開館)や地中美術館(2004年)、李禹煥美術館(2010年)などを手がけており、直島新美術館はベネッセアートサイト直島において、安藤忠雄設計のアート施設として10番目となる。

同館では、日本も含めたアジア地域のアーティストの代表作やコミッション・ワークを中心に展示・収集。企画展示の開催やトークイベント、ワークショップといったパブリックプログラムなど展示以外の美術館活動にも取り組み、より多様な視点や表現、時代や社会に対する多義的なメッセージを発信するとともに、繰り返し人々が訪れ、島内外の多種多様な人々が出会う交流・連携の場としても機能させていく。

丘の稜線をゆるやかにつなぐような大きな屋根が特徴的な建物は、地下2階・地上1階建て。トップライトから自然光が入る階段室は、地上から地下まで直線状に続いており、階段の両側に4つのギャラリーが配置される。地上フロアの北側にはカフェが併設され、瀬戸内海を臨むテラスからは、豊島や行き交う漁船など瀬戸内海らしい景観を眺めることができる。

美術館の外観は集落の景観になじむよう、焼杉のイメージに合わせた黒漆喰の外壁や小石が積まれた塀などを予定しており、美術館までのアプローチや建築からも直島の歴史や人々の営みと体験が緩やかに繋がるようデザインされている。

https://benesse-artsite.jp/news/20230905-2720.html