三組坂flat

2019

10階建て27戸の集合住宅の計画です。柱梁フレームを反転してバラバラのセルと考え、これらをつないで住戸を計画しています。3.2mの正方形スパンは内法6畳程度で、セルごとに寝室/仕事場などそれぞれ異なるシーンが成立するよう、仕上げをサッシ色と共に切り替えています。

また、より自在なプランニングのため、4分の1円弧などの<ジョイント>を用いています。平面のジョイントは、複数個室のためのアクセスを生み、断面のジョイントは、円弧の内側に浴室などを収めつつ、外側で隣のセルへ採光したり、広がりを与えたりできます。

各住戸や共用部が、周辺建物や方位/眺望などに応じつつ、互いに定義し合うことで、そこにしかないものとして、周辺環境の連続性の中に位置づけられることを目指しました。

伊藤博之建築設計事務所(建築設計事務所)

伊藤博之建築設計事務所(建築設計事務所)

伊藤博之
1970年埼玉県生まれ。1993年東京大学工学部建築学科卒業、1995年同大学院修士課程修了。1995〜1998年日建設計を経て、1998年O.F.D.A.共同設立。1999年伊藤博之建築設計事務所設立。2019年より工学院大学教授。

上原絢子
1983年愛知県生まれ。2006年名古屋市立大学芸術工学部卒業、2008年東京工業大学大学院修士課程修了。2008〜2013年木島千嘉建築設計事務所+O.F.D.A.を経て、2013年〜伊藤博之建築設計事務所。

おもな受賞として、「RIBA(王立英国建築家協会)Awards for International Excellence」(辰巳アパートメントハウス、2018)、「日本建築学会作品選奨」(辰巳アパートメントハウス、2019年)、「グッドデザイン賞BEST100」(PRISM Inn Ogu、2022年)など。

http://ito-a.jp/

2024/2/14 14:00